4. ビタミンEの脂質抗酸化作用

ビタミンE(Toc)は生体内ではその殆どが膜中に存在しており, その作用として生体膜を構成する高度不飽和脂肪酸が活性酸素によって過酸化されるのを防止するといういわゆる「生体内抗酸化説」が広く一般に支持されている. 生体内における過酸化脂質の生成系としては, 鉄などの金属イオン(またはその錯体)の存在下で, (i)(a)H2O2や(b)過酸化脂質(LOOH)などの過酸化物に依存した系と, (ii)過酸化物に依存しない系(鉄錯体によって分子状酸素が活性化される系)の二つが一般的である. 前者(i)の(a)系はFenton反応[1]としてよく知H2O2+Fe2+→・OH+Fe3++OH-[1]られて...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1987-08, Vol.61 (8), p.383-390
1. Verfasser: 福沢健治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビタミンE(Toc)は生体内ではその殆どが膜中に存在しており, その作用として生体膜を構成する高度不飽和脂肪酸が活性酸素によって過酸化されるのを防止するといういわゆる「生体内抗酸化説」が広く一般に支持されている. 生体内における過酸化脂質の生成系としては, 鉄などの金属イオン(またはその錯体)の存在下で, (i)(a)H2O2や(b)過酸化脂質(LOOH)などの過酸化物に依存した系と, (ii)過酸化物に依存しない系(鉄錯体によって分子状酸素が活性化される系)の二つが一般的である. 前者(i)の(a)系はFenton反応[1]としてよく知H2O2+Fe2+→・OH+Fe3++OH-[1]られており, このヒドロキシラジカル(・OH)が自動酸化機構[2]~[4]による脂質過酸化のinitiation LH→L・[2]L・+O2→LOO・[3]LOO・+LH→LOOH+L・[4]反応[2]を直接誘発する活性酸素種といわれている.
ISSN:0006-386X