アスコルビン酸誘導体の構造とファージ不活化活性
「緒言」アスコルビン酸(AsA)にウイルス不活化活性があることはよく知られている. 著者らはウイルスのモデルとして細菌ウイルス(ファージ)を用い, AsAのファージ不活化活性について一連の研究を行っている. そしてAsAによるファージ不活化は, ファージの種類を問わず認められる普遍的な現象であることを明らかにした. 次いでAsAによるファージ不活化の反応機構について研究し, その反応にフリーラジカル反応機構が関与していること, すなわちAsAの自動酸化に伴って生成するフリーラジカル(活性酸素)が関与することを明らかにした. さらに活性酸素の作用を受けるファージのターゲット分子について追究し,...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 1987/06/15, Vol.61(5-6), pp.199-204 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」アスコルビン酸(AsA)にウイルス不活化活性があることはよく知られている. 著者らはウイルスのモデルとして細菌ウイルス(ファージ)を用い, AsAのファージ不活化活性について一連の研究を行っている. そしてAsAによるファージ不活化は, ファージの種類を問わず認められる普遍的な現象であることを明らかにした. 次いでAsAによるファージ不活化の反応機構について研究し, その反応にフリーラジカル反応機構が関与していること, すなわちAsAの自動酸化に伴って生成するフリーラジカル(活性酸素)が関与することを明らかにした. さらに活性酸素の作用を受けるファージのターゲット分子について追究し, ファージの核酸がターゲット分子であること, およびそのさい核酸鎖の1本鎖切断が起こり, これがファージ不活化の原因であることを示した. これに対してファージ不活化活性の発現に必要なAsAの構造については, そのエンジオール基〔-(HO)C=C(OH)-〕の重要性が示唆されるにもかかわらず, これを実証する研究はまだ行われていない. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.61.5-6_199 |