スーパーオキシドによって誘導される脂質過酸化反応 : フェリチンの促進効果
生体内でみられるほとんどの脂質過酸化反応はスーパーオキシド(O2-)に依存し, 自動酸化機構〔1~3式〕RH→R・ 〔1〕R・+O2→ROO・ 〔2〕ROO・+RH→ROOH+R・ 〔3〕によって進展すると考えられているが, その際のinitiation反応〔1式〕については議論が分れており, 不飽和脂肪酸からの水素原子の引き抜き〔1式〕に直接関与する活性酸素を, ・OHとする説と, キレート鉄-O2-複合体とする説の二つが有力である. いずれにしてもO2-によって誘導される脂質過酸化には鉄や銅などの金属イオンの共存が不可欠である. これらの金属は生体内では, トランスフェリンやラクトフェリン...
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Veröffentlicht in: | ビタミン 1986/04/25, Vol.60(4), pp.188-189 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 生体内でみられるほとんどの脂質過酸化反応はスーパーオキシド(O2-)に依存し, 自動酸化機構〔1~3式〕RH→R・ 〔1〕R・+O2→ROO・ 〔2〕ROO・+RH→ROOH+R・ 〔3〕によって進展すると考えられているが, その際のinitiation反応〔1式〕については議論が分れており, 不飽和脂肪酸からの水素原子の引き抜き〔1式〕に直接関与する活性酸素を, ・OHとする説と, キレート鉄-O2-複合体とする説の二つが有力である. いずれにしてもO2-によって誘導される脂質過酸化には鉄や銅などの金属イオンの共存が不可欠である. これらの金属は生体内では, トランスフェリンやラクトフェリン, セルロプラスミン, フェリチンといったタンパクと結合してホロ型で存在しており, 脂質過酸化の誘導に有効な遊離型の鉄イオンは, 先の本トピックス欄でも紹介したが, リュウマチ患者の髄液や炎症を起こした浸出液(ラット)など特殊な条件下でしか検出されていない. |
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ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.60.4_188 |