受容体活性化によるイノシトールリン脂質代謝変化の測定

「I. はじめに」標的細胞の細胞膜上に受容体を持つホルモンや化学伝達物質は, 細胞膜を横切ってその情報を細胞質内や核内に伝える機構を持っており, その代表的なものがSutherlandが発見したcyclic AMPを2nd messengerとする情報伝達系であるが, 近年Ca2+を細胞内情報伝達因子とするホルモンや生理的刺激の発見が相次ぎ注目を集めている. Ca2+を調節因子とするホルモンや化学伝達物質を標的組織に作用した際に, 共通して見られる現象としてイノシトールリン脂質代謝亢進が知られている. 最近, この分野の研究に著しい進展が見られ, 細胞内情報伝達にイノシトールリン脂質が重要な役...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1986/01/25, Vol.60(1), pp.15-19
1. Verfasser: 竹縄, 忠臣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」標的細胞の細胞膜上に受容体を持つホルモンや化学伝達物質は, 細胞膜を横切ってその情報を細胞質内や核内に伝える機構を持っており, その代表的なものがSutherlandが発見したcyclic AMPを2nd messengerとする情報伝達系であるが, 近年Ca2+を細胞内情報伝達因子とするホルモンや生理的刺激の発見が相次ぎ注目を集めている. Ca2+を調節因子とするホルモンや化学伝達物質を標的組織に作用した際に, 共通して見られる現象としてイノシトールリン脂質代謝亢進が知られている. 最近, この分野の研究に著しい進展が見られ, 細胞内情報伝達にイノシトールリン脂質が重要な役割を果していることが明らかとなってきた. イノシトールリン脂質とは図1に示すような構造を持つリン脂質であり, phosphatidylinositol(PI), phosphatidylinositol 4-phosphate(DPI)とphosphatidylinositol 4,5-bisphosphate(TPI)がある.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.60.1_15