2. ビタミンE

「I. はじめに」E(Toc)は生体内ではそのほとんどが膜中に存在しており, 膜機能と密接に関連してその作用を発現していると考えられているが, B群やKなどに見られるような補酵素作用あるいは視覚サイクルにおけるAのような特異的な作用はまだ見い出されていない. 現在のところEの生理作用として次の二つの仮説, 則ち, (1)生体膜の脂質過酸化による崩壊を抑制することにあるとする, いわゆる生体内抗酸化説と, (2)物理化学的な作用によって膜を安定化するという生体膜安定化説が多くの研究者によって受け入れられている. ここではこれらの二つの説, 特に前者の説に重点を置いて筆者らの最近の知見を中心にEの...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1984-11, Vol.58 (11), p.517-524
1. Verfasser: 福沢健治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」E(Toc)は生体内ではそのほとんどが膜中に存在しており, 膜機能と密接に関連してその作用を発現していると考えられているが, B群やKなどに見られるような補酵素作用あるいは視覚サイクルにおけるAのような特異的な作用はまだ見い出されていない. 現在のところEの生理作用として次の二つの仮説, 則ち, (1)生体膜の脂質過酸化による崩壊を抑制することにあるとする, いわゆる生体内抗酸化説と, (2)物理化学的な作用によって膜を安定化するという生体膜安定化説が多くの研究者によって受け入れられている. ここではこれらの二つの説, 特に前者の説に重点を置いて筆者らの最近の知見を中心にEの作用を概説する. 「II. 活性酸素とビタミンE」生体内における過酸化脂質の生成にはスーパーオキシドラジカル(O2-)や過酸化水素(H2O2), ヒドロキシラジカル(HO・), 一重項酸素(1O2)などの活性酸素の関与が示唆されている.
ISSN:0006-386X