メチルコバラミンと免疫

「I. 緒言」 補酵素型B12の一つであるCH3-B12は神経障害修復作用をもって知られ, 神経疾患特に末梢神経障害の治療に用いられている. 一方, 滝本らの報告に端を発して, CH3-B12が生体の免疫系統になんらかの調整機序を及ぼすことが種々の実験系で示唆されてきている. ここでは, 体液性免疫と細胞性免疫におけるCH3-B12に関連した報告を概観し, 次に造血幹細胞の免疫調節機構でのCH3-B12の役割につき, われわれの研究成績を述べ, 併せてCH3-B12の免疫調整作用に言及したい. 「II. 体液性免疫応答とCH3-B12」 免疫系は精巧な特異性をもって各種の物質と反応し, それに...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1982-11, Vol.56 (11), p.599-603
Hauptverfasser: 吉田弥太郎, 大久保直, 釜本隆行, 朴英薫, 内野治人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」 補酵素型B12の一つであるCH3-B12は神経障害修復作用をもって知られ, 神経疾患特に末梢神経障害の治療に用いられている. 一方, 滝本らの報告に端を発して, CH3-B12が生体の免疫系統になんらかの調整機序を及ぼすことが種々の実験系で示唆されてきている. ここでは, 体液性免疫と細胞性免疫におけるCH3-B12に関連した報告を概観し, 次に造血幹細胞の免疫調節機構でのCH3-B12の役割につき, われわれの研究成績を述べ, 併せてCH3-B12の免疫調整作用に言及したい. 「II. 体液性免疫応答とCH3-B12」 免疫系は精巧な特異性をもって各種の物質と反応し, それによって生体の恒常性が維持されている. その中でも, 遺伝的に制御された一連の細胞間相互作用とその主体となるT細胞サブセットが重要である. 特に近年に至り, 免疫応答を増幅するhelper T細胞・抑制するsuppressor T細胞などの調節性T細胞とが, 免疫応答の制御に中心的役割を果たすものとして注目されている.
ISSN:0006-386X