シロネズミ組織へのカドミウム蓄積に及ぼす食餌中のカルシウム並びにビタミンD3含量の影響

生体に有害なCdの腸管吸収は, 動物の栄養条件によって影響されることが報告されている. 低Ca, 低P食などの低栄養条件に置かれた動物がCdを摂取した場合には, 肝臓や腎臓などへのCd蓄積量は正常な場合に比べて増大する. 一方, 生体にとって必須なCaの腸管吸収はDによって促進される. D3は1, 25-(OH)2-D3に代謝されて, その作用を発現することが明らかにされているが, このD3の1, 25-(OH)2-D3への代謝も, 動物の栄養条件によって修飾される. すなわち, 低Ca, 低P食などで動物を飼育した場合には, D3の1, 25-(OH)2-D3への代謝は促進され, 小腸におけ...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1978-04, Vol.52 (4), p.161-166
Hauptverfasser: 鶴木富紀子, Houi Ling Wung, 田村正明, 志村二三夫, 森内幸子, 細谷憲政
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:生体に有害なCdの腸管吸収は, 動物の栄養条件によって影響されることが報告されている. 低Ca, 低P食などの低栄養条件に置かれた動物がCdを摂取した場合には, 肝臓や腎臓などへのCd蓄積量は正常な場合に比べて増大する. 一方, 生体にとって必須なCaの腸管吸収はDによって促進される. D3は1, 25-(OH)2-D3に代謝されて, その作用を発現することが明らかにされているが, このD3の1, 25-(OH)2-D3への代謝も, 動物の栄養条件によって修飾される. すなわち, 低Ca, 低P食などで動物を飼育した場合には, D3の1, 25-(OH)2-D3への代謝は促進され, 小腸におけるCa吸収は著しく増大する. 在来のCdの腸管吸収と栄養条件に関する観察実験は, 主としてDの充分に存在する条件で行われている.
ISSN:0006-386X