大腸菌のビタミンB6取込みにおけるOvershoot現象

「要約」大腸菌K12野生株由来のB6要求性変異株KG980による3H-PIN取込みの際には, 取込量がいったん最大値に達したのち低下するいわゆるovershoot現象が観察された. この現象はK12野生株にも同様に観察されたが, 他のB6型, 3H-PAL及び3H-PAMではほとんど認められなかった. 更にこの現象は菌体外液中3H-PIN濃度が比較的高い例えば10μMの場合に明確であり, 又菌体の増殖段階に依存して, 対数増殖期に最も顕著であった. 最大取込時の菌体内3H-B6化合物及びその菌体から, 後に放出された3H-B6化合物のいずれにおいても3H-PALP及び3H-PAMPが主成分を占...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 1977-10, Vol.51 (9/10), p.401-405
Hauptverfasser: 辻孝彦, 山田良平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」大腸菌K12野生株由来のB6要求性変異株KG980による3H-PIN取込みの際には, 取込量がいったん最大値に達したのち低下するいわゆるovershoot現象が観察された. この現象はK12野生株にも同様に観察されたが, 他のB6型, 3H-PAL及び3H-PAMではほとんど認められなかった. 更にこの現象は菌体外液中3H-PIN濃度が比較的高い例えば10μMの場合に明確であり, 又菌体の増殖段階に依存して, 対数増殖期に最も顕著であった. 最大取込時の菌体内3H-B6化合物及びその菌体から, 後に放出された3H-B6化合物のいずれにおいても3H-PALP及び3H-PAMPが主成分を占め, このことよりリン酸エステル型B6の菌体の内より外への膜透過性が示された.
ISSN:0006-386X