ビタミンB6の腸管吸収機構 (I) シロネズミ反転腸管リングによる3H-ピリドキソールの取込み

POLの腸管吸収は比較的すみやかでほぼ完全であることがシロネズミ, ウサギ, イヌ, ヒトにおいて示されてきている. シロネズミにおいて経口投与量と吸収量が直線関係にあること, また反転腸管によるin vitroの実験の結果から単純拡散による吸収機構が強く示唆されている. POLの吸収に腸管が能動的な関与をする可能性がウサギ腸管組織に取込まれたPOLの一部がPALPとして存在することから示唆されたが取込み量と投与量との関係はむしろ単純拡散機構に一致するものであった. 最近のチアミンの腸管吸収に関する研究はチアミンが極めて小量のときには能動輸送機構が働くことを示した. この点に関してはこれまでの...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1973-10, Vol.47 (9/10), p.453-461
1. Verfasser: 辻孝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:POLの腸管吸収は比較的すみやかでほぼ完全であることがシロネズミ, ウサギ, イヌ, ヒトにおいて示されてきている. シロネズミにおいて経口投与量と吸収量が直線関係にあること, また反転腸管によるin vitroの実験の結果から単純拡散による吸収機構が強く示唆されている. POLの吸収に腸管が能動的な関与をする可能性がウサギ腸管組織に取込まれたPOLの一部がPALPとして存在することから示唆されたが取込み量と投与量との関係はむしろ単純拡散機構に一致するものであった. 最近のチアミンの腸管吸収に関する研究はチアミンが極めて小量のときには能動輸送機構が働くことを示した. この点に関してはこれまでのPOL吸収の研究は比較的大量を用いて行われた. それゆえPOLの供給を制限した生理的な条件で単純拡散が唯一の吸収機構か否かを調べることは興味がある. このような条件での吸収についての予備的な知見を得るために極めて薄いPOL溶液からの反転腸管リングによる取込みを研究した.
ISSN:0006-386X