ミオイノシトールに関する研究 : (XIII)^3H-ミオイノシトールの脂肪肝ホスファチジルイノシトールへの取込み
Handlerのいわゆる"食餌性脂肪肝"形成に対してInlが著明な阻止作用を示すことはよく知られているが, われわれはこのInlの抗脂肪肝作用のメカニズムを解明するため種々の検討を行なってきた. その結果Inlは脂肪肝で障害されていた肝より血流中への脂質の移動を促進することを確認し, これは肝におけるβ-リポプロティンの合成ならびに分泌が増大することにもとづくものと考えた. このことに関連して八木, 小滝は注射したInlが肝細胞の小胞体におけるP-Inlの迅速な生成を促進することを示し, 合成されたP-Inlがβ-リポプロティンの合成に用いられるばかりでなく, その分泌ない...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | ビタミン 1971/11/25, Vol.44(5), pp.231-235 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | Handlerのいわゆる"食餌性脂肪肝"形成に対してInlが著明な阻止作用を示すことはよく知られているが, われわれはこのInlの抗脂肪肝作用のメカニズムを解明するため種々の検討を行なってきた. その結果Inlは脂肪肝で障害されていた肝より血流中への脂質の移動を促進することを確認し, これは肝におけるβ-リポプロティンの合成ならびに分泌が増大することにもとづくものと考えた. このことに関連して八木, 小滝は注射したInlが肝細胞の小胞体におけるP-Inlの迅速な生成を促進することを示し, 合成されたP-Inlがβ-リポプロティンの合成に用いられるばかりでなく, その分泌ないし膜の修復に役立つものと推定した. 前報の脂肪肝における粗面小胞体の形態変化がInl投与で回復することもP-Inlの作用に結びつけることができよう. これはまたInl投与によりたんぱく合成が回復することとも関連する. |
---|---|
ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.44.5_231 |