大腸菌におけるピリドキシンのとりこみ

大腸菌におけるビタミンのとりこみについてはB1, B2, ビオチンなど多くの報告がある. ことにB1は能動輸送の型式ですみやかにとりこまれ, 菌体内にB1-リン酸エステルの形で蓄積する. そしてとりこみはまずB1に特異的なキャリアーたんぱくに触媒されて細胞膜を通過する過程が推定され, ついでB1は細胞膜に局在するThiamine kinase(E. C. 2. 7. 6. 2)により細胞質内にTDPとして蓄積される過程の2段階からなる機構が明らかにされた. B2は大腸菌により全くとりこまれないが, これと平行してB2リン酸化酵素系が可溶性画分に存在し, 膜画分に存在しないことは興味あることであ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 1970/03/25, Vol.41(3), pp.222-229
1. Verfasser: 大矢, 紀昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:大腸菌におけるビタミンのとりこみについてはB1, B2, ビオチンなど多くの報告がある. ことにB1は能動輸送の型式ですみやかにとりこまれ, 菌体内にB1-リン酸エステルの形で蓄積する. そしてとりこみはまずB1に特異的なキャリアーたんぱくに触媒されて細胞膜を通過する過程が推定され, ついでB1は細胞膜に局在するThiamine kinase(E. C. 2. 7. 6. 2)により細胞質内にTDPとして蓄積される過程の2段階からなる機構が明らかにされた. B2は大腸菌により全くとりこまれないが, これと平行してB2リン酸化酵素系が可溶性画分に存在し, 膜画分に存在しないことは興味あることである. このように大腸菌によるビタミンのとりこみはビタミンの種類によつて全くちがうため上述のB1あるいはB2以外の他のビタミンにたいする態度は興味のあるところである.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.41.3_222