ビタミンB6欠乏時の抗体産生障害にかんする研究

生体の炎症反応における抵抗力と栄養学的因子との関連は古来いくたびか問題になつたが, ビタミン欠乏時の抗体産生能低下という命題としてとらえられたのはLichtstein(1945)にはじまる. ついでStoerkがB1, B2, パントテン酸などと対比してB6の特異性を報告して以来Axelrod一門に引きつがれてB6欠乏時にみられる抗体産生障害は現象論的に追求されてきたが, その機序にかんしては抗体産生機構の不明なことから本態に近づくことは許されなかつた. ただB6とたんぱく代謝の密接な関連からたんぱく合成反応の障害によるとの見解が主として生化学的な面から推論せらていたにすぎない. 近年Burn...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1967-11, Vol.36 (5), p.434-446
Hauptverfasser: 花井士郎, 山田弘三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:生体の炎症反応における抵抗力と栄養学的因子との関連は古来いくたびか問題になつたが, ビタミン欠乏時の抗体産生能低下という命題としてとらえられたのはLichtstein(1945)にはじまる. ついでStoerkがB1, B2, パントテン酸などと対比してB6の特異性を報告して以来Axelrod一門に引きつがれてB6欠乏時にみられる抗体産生障害は現象論的に追求されてきたが, その機序にかんしては抗体産生機構の不明なことから本態に近づくことは許されなかつた. ただB6とたんぱく代謝の密接な関連からたんぱく合成反応の障害によるとの見解が主として生化学的な面から推論せらていたにすぎない. 近年Burnetによる斬新な免疫理論の展開ならびにMillerによる胸腺再発見などの免疫学上画期的な業績が現われるにおよび"胸腺と免疫"がようやく免疫生物学的研究に主要な地位を占めるにいたつた.
ISSN:0006-386X