ホモパントテン酸-^3Hの吸収と分布にかんするオートラジオグラフィーによる研究

GABAは動物組織では中枢神経系に限つてとくに高濃度に存在することが知られている. 一方, GABAの生理作用はまだ十分解明されていないが本物質の脳内濃度と興奮性との間に密接な関係があることが推測されている. このため本物質を投与することによつて脳内濃度を高め, その薬理作用を期待する試みがなされてきたが, GABAはそのままの型で投与しても脳内にはほとんど移行しないことが明らかにされている. そのため西沢らは血液脳関門を通過し易くするためにGABAをパントテン酸に縮合させてHOPAを合成することに成功した. そしてこのHOPAが脳内に移行することもすでに証明されているが, それらはアイソトー...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1966/11/25, Vol.34(5), pp.500-504
Hauptverfasser: 中村, 恒男, 島田, 司巳, 斎藤, 三朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:GABAは動物組織では中枢神経系に限つてとくに高濃度に存在することが知られている. 一方, GABAの生理作用はまだ十分解明されていないが本物質の脳内濃度と興奮性との間に密接な関係があることが推測されている. このため本物質を投与することによつて脳内濃度を高め, その薬理作用を期待する試みがなされてきたが, GABAはそのままの型で投与しても脳内にはほとんど移行しないことが明らかにされている. そのため西沢らは血液脳関門を通過し易くするためにGABAをパントテン酸に縮合させてHOPAを合成することに成功した. そしてこのHOPAが脳内に移行することもすでに証明されているが, それらはアイソトープで標識したHOPAを投与した後の脳組織の放射能を測定することによる生化学的なものであり, 組織化学的な実験は未だみられない. 私たちは今回トリチウムで標識したHOPAを入手し, 水溶性物質であるという技術上の困難を多少とも克服して細胞レベルでHOPA-3Hの中枢神経系ならびに各種臓器へのとりこみの様子を観察したので, 今回はとくに脳を中心にして報告する.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.34.5_500