神経機能回復の基礎的研究 : 生物学的にみたThiamine propyldisulfide大量投与の意義
B1はその研究の歴史が示すごとく元来B1欠乏疾患にたいし最少量で最大の治療効果を挙げることによつて認められてきた. しかし最近の臨床各科の治療にはB1欠乏疾患のみならず広く多くの疾患にしばしば大量投与療法が施され効果を挙げていることは認めざるをえない. この経験的事実は従来のビタミンの概念, すなわち"微量にして, かつ生理的に重要な助酵素"の考え方を逸脱し, その働きのなかに完全に1つの薬剤としての薬理作用を要求するものである. 同様のことはB1に限らず他のビタミンやホルモンについてもいいうることであつて, とくに生理的必要量をはるかに越える大量投与ではその作用に微量投与...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | ビタミン 1965/11/25, Vol.32(5), pp.434-447 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | B1はその研究の歴史が示すごとく元来B1欠乏疾患にたいし最少量で最大の治療効果を挙げることによつて認められてきた. しかし最近の臨床各科の治療にはB1欠乏疾患のみならず広く多くの疾患にしばしば大量投与療法が施され効果を挙げていることは認めざるをえない. この経験的事実は従来のビタミンの概念, すなわち"微量にして, かつ生理的に重要な助酵素"の考え方を逸脱し, その働きのなかに完全に1つの薬剤としての薬理作用を要求するものである. 同様のことはB1に限らず他のビタミンやホルモンについてもいいうることであつて, とくに生理的必要量をはるかに越える大量投与ではその作用に微量投与のときと異なつた質的差異があるようである. B1欠乏の神経精神障害はWernicke仮性脳炎で代表される中枢性障害と多発性神経炎(脚気)で代表される末梢障害があり, またペラグラにみられるような過敏情動障害, 意識障害, てんかんけいれんなどの症状精神病を示すことも古くから認められている. |
---|---|
ISSN: | 0006-386X 2424-080X |
DOI: | 10.20632/vso.32.5_434 |