ビタミンB1類と蛋白との反応にかんする研究 (IV) チオール型ビタミンB1類と酸化型卵アルブミンとの反応ならびにその生成物について

さきに著者らはTDS, BTDSのごとき対称型Disulfideを卵アルブミンまたは血清アルブミンと一定条件で反応せしめると, これらは還元されて遊離型B1を生ずると同時に蛋白B1結合物を生成し, この結合は蛋白SH基の反応によつて生成する蛋白-S-S-B1様の化学結合によるものであることを報告した. この一連の研究でB1およびOBTは変性, 未変性のいかんを問わず反応性は認められなかつたがヨウ素酸化した卵アルブミンとは反応して同種の結合物を生成することが推察された. またBonvicinoらもヨウ素酸化した乳蛋白とB1との反応で "非透析性B1" の生成を報告している....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:ビタミン 1963-02, Vol.27 (2), p.135-139
Hauptverfasser: 内海勇, 原田清, 河野啓一, 平尾宏子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:さきに著者らはTDS, BTDSのごとき対称型Disulfideを卵アルブミンまたは血清アルブミンと一定条件で反応せしめると, これらは還元されて遊離型B1を生ずると同時に蛋白B1結合物を生成し, この結合は蛋白SH基の反応によつて生成する蛋白-S-S-B1様の化学結合によるものであることを報告した. この一連の研究でB1およびOBTは変性, 未変性のいかんを問わず反応性は認められなかつたがヨウ素酸化した卵アルブミンとは反応して同種の結合物を生成することが推察された. またBonvicinoらもヨウ素酸化した乳蛋白とB1との反応で "非透析性B1" の生成を報告している. そこで酸化型卵アルブミンにたいするB1, OBTの反応性を明確にするためさらに詳細に検討した. 本報では, さきにTDS, BTDSと蛋白との反応の実験に有効な手段となつた方法, すなわちゾーン電気泳動法, 平衡透析法, メタリン酸除蛋白法による結合物の確認, 分離定量ならびにヨウ素酸化条件などについて検討した結果を報告する.
ISSN:0006-386X