ビタミンB12代謝におよぼす内分泌機能の影響にかんする実験的研究 (III) 下垂体-副腎皮質系機能のビタミンB12代謝におよぼす影響について

副腎皮質機能とB12との関係については若干の報告がみられる. Thornらは悪性貧血症のACTH使用例を, Diogらは同症の消化管B12吸収がPrednisoloneで改善されることをのべた. その後の多くの追試の結果ACTHやCorticoidsことにPrednisoloneは悪性貧血症の大多数においてB12吸収を促進せしめ, これらのホルモンが内因子に関与するという説, 腸管粘膜上皮の更新を促がしてB12吸収を改善せしめるという説などが唱えられている. またACTH, Cortisoneが特発性脂肪便や非熱帯性Sprueに有効であつたことや, 同症の血中B12値が約半数例で低下しているこ...

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Veröffentlicht in:	ビタミン 1962-12, Vol.26 (6), p.449-458
Hauptverfasser:	上田進一, 三宅儀
Format:	Artikel
Sprache:	jpn
Online-Zugang:	Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:	副腎皮質機能とB12との関係については若干の報告がみられる. Thornらは悪性貧血症のACTH使用例を, Diogらは同症の消化管B12吸収がPrednisoloneで改善されることをのべた. その後の多くの追試の結果ACTHやCorticoidsことにPrednisoloneは悪性貧血症の大多数においてB12吸収を促進せしめ, これらのホルモンが内因子に関与するという説, 腸管粘膜上皮の更新を促がしてB12吸収を改善せしめるという説などが唱えられている. またACTH, Cortisoneが特発性脂肪便や非熱帯性Sprueに有効であつたことや, 同症の血中B12値が約半数例で低下していることも知られている. かくB12の消化管吸収を論ずるにあたつては副腎皮質ホルモンの影響もまた考慮する必要がある. しかしこれらの報告にもかゝわらず下垂体副腎皮質系機能がB12代謝におよぼす影響についての系統的な研究は, まだ行なわれいないようである.
ISSN:	0006-386X