ビタミンB12の代謝にかんする研究 シロネズミにおける放射性ビタミンB12の吸収および排泄

SmithおよびRichesらによりほとんど同時にB12の結晶単離の成功が報じられて以来, 研究は急速に進展しHodgkinらにより構造も決定された. 最近の研究の焦点は1)非活性同族体, 2)生化学的機作ことに補酵素としての実在問題, 3)経口吸収における内因子の本態などに向けられているといえよう. 第3の問題と関連して吸収排泄の体内分布などの動的平衡の研究に同位元素の応用が有利であることは早くから認められていたが, B12の研究においても欧米では培地にCo60無機塩を加えて微生物ことに放線菌にCo60を分子内に取入れた放射性B12を生合成せしめて供給するようになつた. また悪性貧血その他内...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1961-12, Vol.24 (4), p.238-246
1. Verfasser: 三浦章宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:SmithおよびRichesらによりほとんど同時にB12の結晶単離の成功が報じられて以来, 研究は急速に進展しHodgkinらにより構造も決定された. 最近の研究の焦点は1)非活性同族体, 2)生化学的機作ことに補酵素としての実在問題, 3)経口吸収における内因子の本態などに向けられているといえよう. 第3の問題と関連して吸収排泄の体内分布などの動的平衡の研究に同位元素の応用が有利であることは早くから認められていたが, B12の研究においても欧米では培地にCo60無機塩を加えて微生物ことに放線菌にCo60を分子内に取入れた放射性B12を生合成せしめて供給するようになつた. また悪性貧血その他内因子欠乏性大球性貧血の診断に放射性B12を内服せしめ, 肝の放射能を体外より測定し, またSchillingに始まる洗い出し法(Flashing out), すなわち投与後一定時間に通常の非放射性B12を注射してCo60-B12の尿中排泄を促進し, その総量から腸管吸収の良否を判定する診断法は日常の臨床試験法として応用されるに至つた.
ISSN:0006-386X