Lactobacillus pastorianus類の生化学的研究 : (I)Lactobacillus pastorianus菌類の分離およびB1号菌の菌学的諸性質

ビールに繁殖してこれを溷濁せしめる桿状細菌(以下L. c菌とす)は1892年Van Laerがベルギーの上面醗酵ビールより分離してSaccharobacillus pastorianusと命名し, のちBergeyらによつてLactobacillus pastorianusと改称された菌が最初のものである. その後各国のビールより多種類発見されており, 著者も本邦においてこのような菌があることに気づいた. しかるにこの菌は麦汁, 麹エキスその他の培地には生育せずビールにのみ特異的に生育した. しかも唯一の培地であるビールにたいしても生育速度は遅く, そのうえ固体培地に生育せしめることは困難であ...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1961/08/25, Vol.23(5), pp.377-383
1. Verfasser: 伊藤, うめの
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビールに繁殖してこれを溷濁せしめる桿状細菌(以下L. c菌とす)は1892年Van Laerがベルギーの上面醗酵ビールより分離してSaccharobacillus pastorianusと命名し, のちBergeyらによつてLactobacillus pastorianusと改称された菌が最初のものである. その後各国のビールより多種類発見されており, 著者も本邦においてこのような菌があることに気づいた. しかるにこの菌は麦汁, 麹エキスその他の培地には生育せずビールにのみ特異的に生育した. しかも唯一の培地であるビールにたいしても生育速度は遅く, そのうえ固体培地に生育せしめることは困難であつたため各種の細菌源よりこの菌を確実に分離することは不可能であつた. その後, 優良培地の調製, 純粋分離法の確立, あるいは優秀な抗酵母性物質の検索などの基礎研究を重ねた結果, 生ビール, 醗酵液, 麦芽, 水および空気などの細菌源より前述の菌ならびにその他のL. c菌類を確実に分離することができた.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.23.5_377