γ-アミノ酪酸の負荷排泄試験

γ-ABAはGlAについで脳内に多量に存在するアミノ酸であることはAwaparaの報告以来周知のことであり, 最近に至つてこのものが末梢神経節で制止機転の役割を演ずることが報ぜられている. しかし中枢神経系においてかように多量に存在することの意義についてはまつたく不明である. γ-ABAの代謝についてはアミノ基転移によりこれがSSAに転ずることがBessmanらによつて明らかにされている. 一方近藤は負荷実験の結果から, これとはべつに酸化過程の存在を予想していたが, 本教室の成績によるとγ-ABAの酸化物たるOABAには痙攣や興奮を抑制する作用のあることが見出され, さらに最近にいたつて井上...

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Veröffentlicht in:ビタミン 1960, Vol.19, pp.233-238
1. Verfasser: 皆見, 新
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:γ-ABAはGlAについで脳内に多量に存在するアミノ酸であることはAwaparaの報告以来周知のことであり, 最近に至つてこのものが末梢神経節で制止機転の役割を演ずることが報ぜられている. しかし中枢神経系においてかように多量に存在することの意義についてはまつたく不明である. γ-ABAの代謝についてはアミノ基転移によりこれがSSAに転ずることがBessmanらによつて明らかにされている. 一方近藤は負荷実験の結果から, これとはべつに酸化過程の存在を予想していたが, 本教室の成績によるとγ-ABAの酸化物たるOABAには痙攣や興奮を抑制する作用のあることが見出され, さらに最近にいたつて井上の脳組織抽出液を用いた実験では微量ではあるがγ-ABAよりOABAの生成されることが述べられている. もし生体内でかかる酸化過程が存在するとすればアミノ酸代謝の常道よりみていまひとつα-位に酸化のはいる道も考えられる.
ISSN:0006-386X
2424-080X
DOI:10.20632/vso.19.0_233