勤労者における「美食家志向」の者の食生活の特徴

【目的】本研究の目的は,健康的な食生活につながる食の楽しみを探るため,食事の美的な面や芸術性を重視して食を楽しむ態度を評価する「美食家志向」の尺度得点が高い者の食生活の特徴を検討することである。【方法】2021年9月,東京都在住の20~64歳勤労者1,000人を対象にインターネット調査を行った。「美食家志向」7項目の合計得点 (7~49点) の分布から対象者を3群に分け,属性,健全な食生活の実践の心掛け,食習慣,主観的健康感について,χ2 検定を用いて比較した。さらに,ロジスティック回帰分析を用いて,「美食家志向」高得点群に関連する項目を調べた。【結果】「美食家志向」低・中・高得点群は各々34...

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Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2024/06/01, Vol.82(3), pp.87-95
Hauptverfasser: 濱下, 果帆, 赤松, 利恵
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】本研究の目的は,健康的な食生活につながる食の楽しみを探るため,食事の美的な面や芸術性を重視して食を楽しむ態度を評価する「美食家志向」の尺度得点が高い者の食生活の特徴を検討することである。【方法】2021年9月,東京都在住の20~64歳勤労者1,000人を対象にインターネット調査を行った。「美食家志向」7項目の合計得点 (7~49点) の分布から対象者を3群に分け,属性,健全な食生活の実践の心掛け,食習慣,主観的健康感について,χ2 検定を用いて比較した。さらに,ロジスティック回帰分析を用いて,「美食家志向」高得点群に関連する項目を調べた。【結果】「美食家志向」低・中・高得点群は各々346人 (34.6%),350人 (35.0%),304人 (30.4%) であった。「美食家志向」高得点群で,女性は53.0%,健全な食生活の実践を「心掛けている」者は82.2%であった。属性や健全な食生活の実践の心掛けで調整したロジスティック回帰分析の結果,「美食家志向」高得点群と,野菜摂取皿数が「5皿以上」[オッズ比 (95%信頼区間):2.05 (1.02~4.12)],主観的健康感が「良い」[1.84 (1.13~2.99)]ことが関連していた。【結論】属性や健全な食生活の実践の心掛けを考慮しても,「美食家志向」高得点群の者は,野菜摂取皿数が多く,主観的健康感も良いことが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.82.87