通所リハビリテーション利用高齢者における食生活習慣と腸内細菌叢との関連
【目的】加齢に伴い,腸内細菌の有用菌は減少し,有害菌は増加することや多様性および安定性が低下することが報告されている。本研究では通所リハビリテーション施設を利用する高齢者の食生活習慣,排便状況を調査し,腸内細菌叢の属数との関連について検討した。【方法】対象は,福岡県O市の介護老人保健施設Hの通所リハビリテーション施設に通う高齢者のうち,調査内容を説明して同意が得られた80名の中から,便検体を提出して細菌が検出された33名である。調査内容は,対象者の属性,食習慣,排便状況,腸内細菌叢である。腸内細菌叢の分析は次世代シーケンサーを用いたアンプリコンシーケンス解析で行った。また,腸内細菌の属数は各対...
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Veröffentlicht in: | 栄養学雑誌 2023/10/01, Vol.81(5), pp.260-268 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】加齢に伴い,腸内細菌の有用菌は減少し,有害菌は増加することや多様性および安定性が低下することが報告されている。本研究では通所リハビリテーション施設を利用する高齢者の食生活習慣,排便状況を調査し,腸内細菌叢の属数との関連について検討した。【方法】対象は,福岡県O市の介護老人保健施設Hの通所リハビリテーション施設に通う高齢者のうち,調査内容を説明して同意が得られた80名の中から,便検体を提出して細菌が検出された33名である。調査内容は,対象者の属性,食習慣,排便状況,腸内細菌叢である。腸内細菌叢の分析は次世代シーケンサーを用いたアンプリコンシーケンス解析で行った。また,腸内細菌の属数は各対象者に検出された腸内細菌をカウントし,中央値で属数の少ない群,属数の多い群の2群に分けて属性や食生活習慣,排便状況との比較を行った。【結果】対象者の腸内細菌の属数の中央値は58であった。腸内細菌の属数と要介護度において,属数の多い群は少ない群と比較して,要支援者の割合が66.7%と有意に高い数値を示した。食生活習慣においては,属数の多い群は少ない群と比較して,朝食タイプの和食タイプが93.3%と有意に高く,また海藻類を1日1回以上食べる者が73.3%と有意に高い数値を示した。【結論】通所リハビリテーション施設に通う高齢者の腸内細菌の構成は要介護度,朝食タイプ,海藻類の摂取頻度と関連していることが示唆された。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.81.260 |