モンゴル国幼児のう蝕予防を目的とした食育の教材開発および利用可能性の検討

【目的】モンゴル国では,幼児のう蝕罹患率が9割以上と高い。そこで,同国幼児のう蝕予防用食育教材を開発し,現地幼稚園での実践と関係者による評価から,教材の利用可能性を検討することを目的とした。【方法】現地におけるアセスメントの結果より,優先課題を「う蝕予防のためのおやつの選び方と食べ方の知識が十分でないこと」に決定し,学習目標を「おやつの選び方・食べ方の知識習得」として,幼児向け演劇教材と保護者・教師向けハンドブック(モンゴル語)を開発した。公立A幼稚園5歳児クラス(52名)で単回の食育を行い,同日に園児の保護者と教師(13名)にハンドブックを配布した。教材の利用可能性(ニーズや幼児の理解度に合...

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Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2022/08/01, Vol.80(4), pp.246-255
Hauptverfasser: 湯面, 百希奈, 土居, 陽菜, 髙山, 祐美, 能瀬, 陽子, 永井, 成美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】モンゴル国では,幼児のう蝕罹患率が9割以上と高い。そこで,同国幼児のう蝕予防用食育教材を開発し,現地幼稚園での実践と関係者による評価から,教材の利用可能性を検討することを目的とした。【方法】現地におけるアセスメントの結果より,優先課題を「う蝕予防のためのおやつの選び方と食べ方の知識が十分でないこと」に決定し,学習目標を「おやつの選び方・食べ方の知識習得」として,幼児向け演劇教材と保護者・教師向けハンドブック(モンゴル語)を開発した。公立A幼稚園5歳児クラス(52名)で単回の食育を行い,同日に園児の保護者と教師(13名)にハンドブックを配布した。教材の利用可能性(ニーズや幼児の理解度に合っているか,等)を検討するために,演劇教材では食育参観者7名(幼稚園教師,歯科医師等)に,ハンドブックでは幼稚園教師13名に質問紙調査を行った。また,録画映像の観察から食育実施時の園児の反応と参加度(学習への積極的態度)を評価した。【結果】演劇教材に対し,参観者の8割以上が教材名,内容共にニーズや幼児の理解度に合っていると評価し,今後も活用したいと回答した。ハンドブックに対しては,「保護者の役に立つ」「保護者へ配布したい」が共に84.6%と高かった。食育のまとめのクイズにほぼ全員の園児が回答し,参加度は良好と評価された。【結論】結果より,開発した教材は,現地関係者から一定の評価が得られたため,今後同国で利用できることが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.80.246