食品に付したエネルギー情報の違いと摂食者の心理・生理的応答: 若年女性における検討

【目的】食品に付したエネルギー情報の違いが,摂食者の心理・生理的応答に与える影響を若年女性において検討すること。【方法】ランダム化クロスオーバー試験として実施した。試験食は,466 kcalのフレンチトーストに,500 kcal表示または 1,000 kcal表示のカードを付した2種類とした。異なる2日間の9時前後に,前夜から絶食した若年女性12名にランダムな順序でいずれかを負荷した。官能評価と摂食への抵抗感,唾液中のα–アミラーゼ濃度を摂食前後に測定した。食欲感覚と呼気ガス(エネルギー消費量)は摂食前と摂食90分後まで測定した。呼気ガス測定値より食事誘発性熱産生を算出した。【結果】心理的指標...

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Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2020/10/01, Vol.78(5), pp.223-231
Hauptverfasser: 鈴木, 麻希, 宮田, 采実, 和田, 有史, 武藤, 孝子, 小谷, 和彦, 永井, 成美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】食品に付したエネルギー情報の違いが,摂食者の心理・生理的応答に与える影響を若年女性において検討すること。【方法】ランダム化クロスオーバー試験として実施した。試験食は,466 kcalのフレンチトーストに,500 kcal表示または 1,000 kcal表示のカードを付した2種類とした。異なる2日間の9時前後に,前夜から絶食した若年女性12名にランダムな順序でいずれかを負荷した。官能評価と摂食への抵抗感,唾液中のα–アミラーゼ濃度を摂食前後に測定した。食欲感覚と呼気ガス(エネルギー消費量)は摂食前と摂食90分後まで測定した。呼気ガス測定値より食事誘発性熱産生を算出した。【結果】心理的指標では,甘さ,脂っぽさ,摂食への後ろめたさは,摂食前後ともに 1,000 kcal表示が 500 kcal表示よりも有意に高かったが,美味しさ,摂食への嬉しさ,食欲感覚(空腹感,満腹感)は,摂食前後ともに試験食による差はなかった。生理的指標では,唾液α–アミラーゼ濃度は,1,000 kcal表示のみ食後に有意に上昇したが,食事誘発性熱産生は,両試行で有意な差はなかった。【結論】本結果より,食品に付した高エネルギー情報は,若年女性摂食者の満腹感や食事誘発性熱産生を高めなかったが,甘さと脂っぽさを強く感じさせるとともに,摂食への抵抗感とストレスを高めることが示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.78.223