栄養成分表示値の信頼性確保: 主要栄養成分に関する分析技能試験の試み
【目的】食品の栄養成分表示は事業者の自己認証であり,表示値が適正であるか収去試験(第三者機関による実測試験)により確認される。収去試験を実施可能な機関は食品表示法に規定されているが,複数あるいずれの機関においても同等の分析値となる事が重要である。そこで,収去試験を実施可能な登録検査機関(食品衛生法)を対象に,技能試験を実施し,現状を調査するとともに,不適切な分析値が得られた場合の原因について検討した。 【方法】栄養成分を均質に含む食品試料を非明示(原材料名のみ開示)で54箇所の登録検査機関に配付し,主要栄養成分(熱量,たんぱく質,脂質,炭水化物,ナトリウム)の測定を行った。報告値を統計的な外れ...
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Veröffentlicht in: | 栄養学雑誌 2017, Vol.75(1), pp.3-18 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】食品の栄養成分表示は事業者の自己認証であり,表示値が適正であるか収去試験(第三者機関による実測試験)により確認される。収去試験を実施可能な機関は食品表示法に規定されているが,複数あるいずれの機関においても同等の分析値となる事が重要である。そこで,収去試験を実施可能な登録検査機関(食品衛生法)を対象に,技能試験を実施し,現状を調査するとともに,不適切な分析値が得られた場合の原因について検討した。 【方法】栄養成分を均質に含む食品試料を非明示(原材料名のみ開示)で54箇所の登録検査機関に配付し,主要栄養成分(熱量,たんぱく質,脂質,炭水化物,ナトリウム)の測定を行った。報告値を統計的な外れ値ではないか,統計学的に許容されるばらつきの範囲内であるか,栄養成分表示における許容差の範囲内であるかの3つの評価基準を用いて判定した。 【結果】全ての報告値が適正と判定された機関は49機関(91%)であった。一方,いずれかが要検証と判定された機関は5機関(9%,内訳(重複あり):熱量3機関,たんぱく質0機関,脂質2機関,炭水化物1機関,ナトリウム2機関)であり,原因の一つに極端な分析条件の設定が考えられた。 【結論】今回,対象とした主要栄養成分に関しては,多くの機関で適正な分析が実施可能と考えられる。分析条件の設定等に関するノウハウを機関間で共有することで,分析技術のさらなる向上が期待される。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.75.3 |