ゲル状食品の力学的特性と一口摂取量が咀嚼方法, 嚥下回数に及ぼす影響

「緒言」人は食事をする時, まず, 視覚, 嗅覚により安全性を確認し, 口腔内に食物を取り込む. 食物を口腔内に取り込んだ直後に行われる舌と口蓋による圧縮で, 食物の力学的特性, すなわちテクスチャー特性や流動特性, 粘弾性など物理的特性(物性)を瞬時に認知し, 歯列による粉砕を行うか, あるいは舌と口蓋による圧縮粉砕を行うかを決定している. 咀嚼することで軟らかくなった食塊は, 舌により口腔から咽頭へと移送され嚥下される. この摂食過程において, 摂食時の食塊量, すなわち口中に取り込む時の食物の一口摂取量(以後, 一口量と称す), 形状および力学的特性が, その後の咀嚼運動や舌運動, 嚥下...

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Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2008-10, Vol.66 (5), p.231-240
Hauptverfasser: 高橋智子, 園田明日佳, 古宇田恵美子, 中村彩子, 大越ひろ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」人は食事をする時, まず, 視覚, 嗅覚により安全性を確認し, 口腔内に食物を取り込む. 食物を口腔内に取り込んだ直後に行われる舌と口蓋による圧縮で, 食物の力学的特性, すなわちテクスチャー特性や流動特性, 粘弾性など物理的特性(物性)を瞬時に認知し, 歯列による粉砕を行うか, あるいは舌と口蓋による圧縮粉砕を行うかを決定している. 咀嚼することで軟らかくなった食塊は, 舌により口腔から咽頭へと移送され嚥下される. この摂食過程において, 摂食時の食塊量, すなわち口中に取り込む時の食物の一口摂取量(以後, 一口量と称す), 形状および力学的特性が, その後の咀嚼運動や舌運動, 嚥下動態にどのような影響を与えるかについて, これまで検討されてきた. Costerらは, 誤嚥やむせなどの症状を引き起こさずに嚥下するための一口量, すなわち食塊量と食塊の力学的特性の重要性について検討した1). また, 宍倉らは, 健常者を被験者として, 食塊形成, および咽頭部への食塊移送時における舌の陥凹に対する食塊量の影響を検討した2).
ISSN:0021-5147