我が国の子どもにおける「やせ」の現状:系統的レビュー

国民栄養調査Dによると, 成人男性ではBody Mass Index(BMI)25以上の肥満者の割合が全ての年齢層で増加傾向にある. 一方で女性においては, 特に20~30代の女性肥満者の割合は, ここ20年あまり減少傾向にあるが, BMI18.5未満の低体重者の割合は, 約2倍に増加している. 「健康日本21」(2000年施行)2)では, 「適正体重を維持している人の増加」「自分の適正体重を認識し, 体重コントロールを実践する人の増加」などの目標項目が掲げられている. 特に「適正体重の維持」では「20歳代女性のやせの者の割合」を1997年国民栄養調査結果に基づく基準値の23.3%から, 20...

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Veröffentlicht in:栄養学雑誌 2004-12, Vol.62 (6), p.347-360
Hauptverfasser: 金田芙美, 菅野幸子, 佐野文美, 西田美佐, 吉池信男, 山本茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:国民栄養調査Dによると, 成人男性ではBody Mass Index(BMI)25以上の肥満者の割合が全ての年齢層で増加傾向にある. 一方で女性においては, 特に20~30代の女性肥満者の割合は, ここ20年あまり減少傾向にあるが, BMI18.5未満の低体重者の割合は, 約2倍に増加している. 「健康日本21」(2000年施行)2)では, 「適正体重を維持している人の増加」「自分の適正体重を認識し, 体重コントロールを実践する人の増加」などの目標項目が掲げられている. 特に「適正体重の維持」では「20歳代女性のやせの者の割合」を1997年国民栄養調査結果に基づく基準値の23.3%から, 2010年には15%以下まで減少させることを目標としている. このように我が国における若年女性の「やせ」の問題が注目され, さらにその傾向が低年齢化し, 無理なダイエットや欠食などで減量を試みている子どもが多いと一般的に言われている3, 4). 2001年より施行されている「健やか親子21」(厚生労働省)では, 21世紀初頭における母子保健の国民運動計画の課題の1つとして, 「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」を掲げており, その中で15歳女子の「不健康やせ」(何らかの健康影響をもたらす可能性のあるやせ)の発生頻度を, 現状(2002年)の5.5%(中学3年), あるいは13.2%(高校3年生)から, 2010年をめどに減少させることを目標としている.
ISSN:0021-5147
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.62.347