n-3系及びn-6系不飽和脂肪酸量からみた料理(主材料別)の脂質評価
近年, 食事から摂取されるn-3系及びn-6系不飽和脂肪酸の量及びそれらの比が, 血清脂肪酸組成1, 2)や血小板凝集能3, 5)に及ぼす影響が報告されるようになり, 脂質栄養を主体とした適切な栄養指導の必要性が指摘されている. つまり, 脂質エネルギー比のように脂質の摂取量だけに注目するのではなく, 不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の比(P/S比)や, n-6系不飽和脂肪酸とn-3系不飽和脂肪酸の比(n-6/n-3比)などで表される脂肪酸の質に対しても, 十分な注意を払う必要があると思われる. 今回我々は, 徳島県の某事業所から社員食堂で供された料理の, n-6系不飽和脂肪酸とn-3系不飽和脂肪酸か...
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Veröffentlicht in: | 栄養学雑誌 1999, Vol.57 (1), p.37-44 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 食事から摂取されるn-3系及びn-6系不飽和脂肪酸の量及びそれらの比が, 血清脂肪酸組成1, 2)や血小板凝集能3, 5)に及ぼす影響が報告されるようになり, 脂質栄養を主体とした適切な栄養指導の必要性が指摘されている. つまり, 脂質エネルギー比のように脂質の摂取量だけに注目するのではなく, 不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の比(P/S比)や, n-6系不飽和脂肪酸とn-3系不飽和脂肪酸の比(n-6/n-3比)などで表される脂肪酸の質に対しても, 十分な注意を払う必要があると思われる. 今回我々は, 徳島県の某事業所から社員食堂で供された料理の, n-6系不飽和脂肪酸とn-3系不飽和脂肪酸からみた脂質評価の依頼を受けた. 企業の給食(昼食)は, 栄養管理の観点から, 働き盛りの人々の1日当たりの栄養供給量の1/3を占めているので重要であり, また“Good Health Is Good Business”の考え方が社会通念となっている現在, 一事業所に限定されてはいるが, 企業フィットネスの観点からも脂質評価を試みた. ところで, 第五次改定日本人の栄養所要量6)で述べられているP/S比及びn-6/n-3比の各々の推奨値は, 1.0及び4.0とされているが, 食事中のP/S比やn-6/n-3比は, 料理に用いる食品素材の組み合わせと量, またはその調理方法により変化することが考えられる. そこで今回は, 料理を副食と主食に分け, 副食は魚介類, 獣鳥鯨肉類, 鶏肉及び大豆を主材料にしたものに分類して, 料理(1人分)当たりの飽和及び不飽和脂肪酸量とn-6/n-3比を算出し, 料理の脂肪酸についての栄養評価を行った. |
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ISSN: | 0021-5147 |