第39回 フィルタ補正逆投影法と最小二乗法との関係

「はじめに」 これまで本連載の第31回で代数的画像再構成法のART法, SIRT法, 第32回で統計的画像再構成のML-EM法などの逐次近似法について述べた. 逐次近似法は仮定した画像から計算で投影を作り(順投影), これと計測した投影との差(比)を求め, 誤差分を逆投影し仮定画像を更新する繰り返し計算によって原画像に近づけていく. 逐次近似法では画像と投影の関係を表す検出確率が主要な役割を果たす. なお, 検出確率という用語は核医学の逐次近似法で用いられてきたが, 最近はCT, MRIでの逐次近似法が普及しつつあり, システム行列あるいは簡単に係数行列と呼ばれる. そこで, 本稿では係数行列...

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Veröffentlicht in:断層映像研究会雑誌 2013, Vol.40 (1), p.1-9
Hauptverfasser: 篠原広行, 小島慎也, 中世古和真, 橘篤志, 橋本雄幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 これまで本連載の第31回で代数的画像再構成法のART法, SIRT法, 第32回で統計的画像再構成のML-EM法などの逐次近似法について述べた. 逐次近似法は仮定した画像から計算で投影を作り(順投影), これと計測した投影との差(比)を求め, 誤差分を逆投影し仮定画像を更新する繰り返し計算によって原画像に近づけていく. 逐次近似法では画像と投影の関係を表す検出確率が主要な役割を果たす. なお, 検出確率という用語は核医学の逐次近似法で用いられてきたが, 最近はCT, MRIでの逐次近似法が普及しつつあり, システム行列あるいは簡単に係数行列と呼ばれる. そこで, 本稿では係数行列と呼ぶことにする. 第33回の最小二乗法を利用した画像再構成では, 係数行列の階数(ランク)不足(1次独立の行または列が行列の次数よりも少ない)によって通常の方法では逆行列が求められない場合でも, 特異値分解によって一般逆行列を求めれば近似的に原画像が復元されることを示した.
ISSN:0914-8663