断層映像法の基礎 第36回 ラドン空間とコーンビーム

「はじめに」 第35回では, 3次元コーンビームを回転させながら被写体をスライドさせて連続的に計測するヘリカルコーンビーム再構成について解説した. 今回は, ラドン空間とコーンビームを利用した再構成の条件について解説する. 「1. ラドン空間」 CTのデータ取得は対象となる被写体の投影を撮ることである. その投影データは一般的に被写体の線積分で表される. それがよく知られているラドン変換である. ラドン変換の式は, g(X,θ)=∫∞-∞f(x,y)dY (1) となる. ここでf(x,y)は対象の2次元の被写体を表す関数で, g(X,θ)はその線積分である投影データを表す. このg(X,θ)...

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Veröffentlicht in:断層映像研究会雑誌 2012-04, Vol.39 (1), p.1-10
Hauptverfasser: 篠原広行, 陳欣胤, 中世古和真, 橘篤志, 橋本雄幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 第35回では, 3次元コーンビームを回転させながら被写体をスライドさせて連続的に計測するヘリカルコーンビーム再構成について解説した. 今回は, ラドン空間とコーンビームを利用した再構成の条件について解説する. 「1. ラドン空間」 CTのデータ取得は対象となる被写体の投影を撮ることである. その投影データは一般的に被写体の線積分で表される. それがよく知られているラドン変換である. ラドン変換の式は, g(X,θ)=∫∞-∞f(x,y)dY (1) となる. ここでf(x,y)は対象の2次元の被写体を表す関数で, g(X,θ)はその線積分である投影データを表す. このg(X,θ)の空間をラドン空間と呼ぶ. 被写体が図1(a)に示すSheppファントムの場合, その投影データg(X,θ)は図1(b)に示すようになる. 図1(b)はサイノグラムと呼ばれ, ラドン空間のX方向を横軸に, θ方向を縦軸に表したものである.
ISSN:0914-8663