3. 3.0Tでの脳灌流MRI

「抄録」脳の灌流MRIは手法として, 造影剤を使用する方法(DSC)と使用しない方法(ASL)に大きく分けることができる. DSC法は造影剤を急速静注下にGRE-EPIあるいはSE-EPIを用いて1分間程度データを収集する. 得られたデータの解析にはいくつかの方法が報告されている. ASL法は造影剤を用いることなく, 灌流画像を得ることが可能な完全に非侵襲的な手法で, 繰り返し測定できるのが利点である. 今回はこれら2つの手法について, その撮像法からデータの解析法について有用性や問題点を概説する. 「はじめに」脳の灌流MRI(perfusionweightedimage:PWI)とは, 脳の...

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Veröffentlicht in:断層映像研究会雑誌 2007, Vol.34 (1), p.24-29
Hauptverfasser: 菊池恵一, 桐山郁子, 三木均, 高橋志津江, 貞本和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」脳の灌流MRIは手法として, 造影剤を使用する方法(DSC)と使用しない方法(ASL)に大きく分けることができる. DSC法は造影剤を急速静注下にGRE-EPIあるいはSE-EPIを用いて1分間程度データを収集する. 得られたデータの解析にはいくつかの方法が報告されている. ASL法は造影剤を用いることなく, 灌流画像を得ることが可能な完全に非侵襲的な手法で, 繰り返し測定できるのが利点である. 今回はこれら2つの手法について, その撮像法からデータの解析法について有用性や問題点を概説する. 「はじめに」脳の灌流MRI(perfusionweightedimage:PWI)とは, 脳の毛細血管レベルでの血流動態の画像化を目的とした撮像法である1). 1.0T以下の装置での報告はほとんどなく, 1.5T装置での臨床応用が中心であった. 我が国でもようやく3.0T装置の普及がはじまり, その高いS/N比や磁化率効果に対して鋭敏であるなどの特徴から, より有用性が高まることが期待されている. PWIは造影剤の急速静注下にダイナミックデータを収集して灌流を評価するdynamic susceptibility contrast法(DSC法)と, 造影剤を使用せず血液を内因性のトレーサーとして使用するarterial spin labeling法(ASL法)に大別される. 3.0T装置では磁化率効果に対して鋭敏であることから, DSC法において造影剤による信号変化が大きくなることが期待される. ASL法は元々S/N比の低い撮像法であり, 撮像時間が長いことが欠点であったが, 3.0T装置は1.5Tの約2倍のS/N比を持ち, 撮像時間の短縮が期待される. またT1の延長はASL法でラベルONの際の磁化状態を持続する時間の延長をもたらす.
ISSN:0914-8663