8. Thin slice CTによる評価の必要性を痛感させられた, 横行結腸憩室穿孔の1例
当院では急性腹症の評価にてCTを行った際, 横隔膜から恥骨結合下縁まで撮影し, 通常は7mm sliceの像をフィルムに現像し, 読影している. 今回この7mmの像では診断困難であった横行結腸憩室穿孔の1例を経験した. 患者は57歳女性, 下腹部痛にて入院後血便や腹膜刺激症状など認められたため, 精査目的にてCT(単純, 造影)が施行された. 7mmの像では横行結腸の浮腫性変化と周囲脂肪組織の濃度上昇は認められたものの, 遊離ガスは指摘できず, その他全域で腹膜炎の所見が強かったため, 原因や責任病巣を特定するには至らなかった. 腹膜炎の診断にて開腹手術が行われ, 横行結腸憩室の穿孔が確認され...
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Veröffentlicht in: | 断層映像研究会雑誌 2006, Vol.33 (1), p.17-18 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当院では急性腹症の評価にてCTを行った際, 横隔膜から恥骨結合下縁まで撮影し, 通常は7mm sliceの像をフィルムに現像し, 読影している. 今回この7mmの像では診断困難であった横行結腸憩室穿孔の1例を経験した. 患者は57歳女性, 下腹部痛にて入院後血便や腹膜刺激症状など認められたため, 精査目的にてCT(単純, 造影)が施行された. 7mmの像では横行結腸の浮腫性変化と周囲脂肪組織の濃度上昇は認められたものの, 遊離ガスは指摘できず, その他全域で腹膜炎の所見が強かったため, 原因や責任病巣を特定するには至らなかった. 腹膜炎の診断にて開腹手術が行われ, 横行結腸憩室の穿孔が確認された. retrospectiveに1mm sliceに再構成した画像をWork station上で観察すると, 穿孔付近の脂肪組織内に消化管外と診断可能な気泡が数箇所観察された. またMPR像では横行結腸より突出する憩室と, その壁の断裂像までも観察可能であり, 充分術前診断可能であったと考えられた. 腹部骨盤を撮影されたCTでは5mm, あるいは7mm sliceの像で評価され, 多く場合で診断可能である. しかし本症のように充分解明できない場合には, thin sliceで詳細に評価を行うべきであると思われた. |
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ISSN: | 0914-8663 |