クオンティフェロンTB-2G(QFT)が診断に有用であった結核性胸膜炎の一男児例

「要旨」クオンティフェロンTB-2G(QFT)が診断に有用であった結核性胸膜炎の一男児例を経験した. 症例は6歳り3児で, 発熱を主訴に受診し, 胸部レントゲンにて右大量胸水を認め入院した. 胸水は一般細菌および抗酸菌の塗抹・培養・結核菌PCR陰性で, 胃液の抗酸菌塗抹・培養・結核菌PCRも陰性であったが, QFT陽性より結核性胸膜炎と診断し, 抗結核療法(2HRZ/4HR)を開始したところ自他覚所見や検査所見は速やかに改善した. QFTの小児における臨床的有用性は現段階では明確になっていないが本例のように結核菌の証明が困難な症例において, 陽性と判明した場合の診断的意義は非常に大きいと考えら...

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Veröffentlicht in:日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2007, Vol.18 (2), p.142-147
Hauptverfasser: 舟井優介, 塚本浩子, 川上智子, 井上壽茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」クオンティフェロンTB-2G(QFT)が診断に有用であった結核性胸膜炎の一男児例を経験した. 症例は6歳り3児で, 発熱を主訴に受診し, 胸部レントゲンにて右大量胸水を認め入院した. 胸水は一般細菌および抗酸菌の塗抹・培養・結核菌PCR陰性で, 胃液の抗酸菌塗抹・培養・結核菌PCRも陰性であったが, QFT陽性より結核性胸膜炎と診断し, 抗結核療法(2HRZ/4HR)を開始したところ自他覚所見や検査所見は速やかに改善した. QFTの小児における臨床的有用性は現段階では明確になっていないが本例のように結核菌の証明が困難な症例において, 陽性と判明した場合の診断的意義は非常に大きいと考えられる. また, QFTはBCG接種の影響を受けないので, BCG接種を奨励しているわが国においてはツベルクリン反応以上に結核の診断に有用な場合があると考えられる. 「はじめに」クオンティフェロンTB-2G(以下QFT)は, 結核菌群とごく一部の非結核性抗酸菌にのみ存在し, BCGに存在しない抗原ESAT-6・CFP-10を用いた全血IFN-γアッセイで, 結核発病を前提とした結核感染を診断できると言われている.
ISSN:0918-3876