7.乳児期早期に発症した百日咳症例の検討
「はじめに」百日咳は, 反復性の激しい咳嗽(痙咳発作)を主要症状とする急性気道感染症である. DPTワクチンの普及により, 発症総数は減少しているとされるが, 近年, ワクチン効力の低下した年長児~成人での発症の増加が問題視されている. また, 母体からの経胎盤的移行免疫が期待できないため, 乳児期早期からの罹患, 発症の可能性があり, 発症後は, 早期に重症化する危険性も高く十分な注意が必要となる1~4). 我々は, 日齢30に入院し, 重篤な呼吸不全症状を呈しため, 人工呼吸管理に加え肺サーファクタントの気管内投与を行うことで救命しえた1男児例を経験した. 今回, 同時期に百日咳感染が疑わ...
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Veröffentlicht in: | 日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2007, Vol.18 (1), p.82-87 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」百日咳は, 反復性の激しい咳嗽(痙咳発作)を主要症状とする急性気道感染症である. DPTワクチンの普及により, 発症総数は減少しているとされるが, 近年, ワクチン効力の低下した年長児~成人での発症の増加が問題視されている. また, 母体からの経胎盤的移行免疫が期待できないため, 乳児期早期からの罹患, 発症の可能性があり, 発症後は, 早期に重症化する危険性も高く十分な注意が必要となる1~4). 我々は, 日齢30に入院し, 重篤な呼吸不全症状を呈しため, 人工呼吸管理に加え肺サーファクタントの気管内投与を行うことで救命しえた1男児例を経験した. 今回, 同時期に百日咳感染が疑われ, 入院加療を行ったものの, 比較的軽症で経過した生後6ヶ月未満の乳児4症例と対比し, 文献的考察を踏まえ報告をする. 「症例」症例:日齢30, 男児. 主訴:発熱, 咳嗽, 哺乳困難. 家族歴:父36歳, 母36歳. 6歳と3歳の兄がいる. 患児発症の数日前より母と兄が咳嗽等の感冒症状を呈していた. 既往歴:在胎38週3日, 帝王切開にて出生. 出生体重3086g. 周産期経過には特記すべき異常は認められなかった. |
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ISSN: | 0918-3876 |