34.重症心身障害児・者の呼吸評価 -他覚所見としてのVisual Analog Scaleの有用性について(第一報)

【目的】重症心身障害児, 者(以下重症児)の呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)では, 呼吸機能の改善を的確に把握できる簡便な指標がない. 我々は過去2年間の経験から各種データ利用の限界を知り, 短期的なリハ効果の判別的指標としては, 「呼吸が苦しそうである」という主観的評価が重要だと結論した. そこで, Visual Analog Scale(VAS)を用いた評価票を作成. 試行から, その有用性について検討した. 【対象】2004年9~12月に当センター呼吸リハ外来を受診した重症児18例, 筋疾患3例. (男12, 女9. 5~50歳), 延べ49試行. 【方法】呼吸リハの前後に, 直接介護...

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Veröffentlicht in:日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2006, Vol.17 (1), p.97-97
Hauptverfasser: 村山恵子, 神田豊子, 金子断行, 直井冨美子, 安西有紀, 清水裕子, 星野英子, 小林朋子, 米山 明, 北住映二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】重症心身障害児, 者(以下重症児)の呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)では, 呼吸機能の改善を的確に把握できる簡便な指標がない. 我々は過去2年間の経験から各種データ利用の限界を知り, 短期的なリハ効果の判別的指標としては, 「呼吸が苦しそうである」という主観的評価が重要だと結論した. そこで, Visual Analog Scale(VAS)を用いた評価票を作成. 試行から, その有用性について検討した. 【対象】2004年9~12月に当センター呼吸リハ外来を受診した重症児18例, 筋疾患3例. (男12, 女9. 5~50歳), 延べ49試行. 【方法】呼吸リハの前後に, 直接介護者である母親(介護者)と, 理学療法士(PT)または医師(専門職)が, 患児の呼吸状態を同時に観察して評価した. 100mmの線分上に, 最も楽な呼吸を0, 最も苦しそうな呼吸を100として呼吸困難度を表示し, 計測した. 【結果】前値が20を越える全例(睡眠状態が変化した3件を除く)で, 後のVAS値は改善した. 介護者と専門職の同時評価17件でのVAS平均値の差は, 7%であった. 【考察】介護者の主観によるVAS値は, 特に上気道機能的狭窄を伴う四肢麻痺例では, 呼吸リハ介入による呼吸状態の変化を良好に反映, 呼吸仕事量の軽減の指標になりうると考えられた. 今回のように呼吸障害への理解が高い介護者であれば, 専門職の評価の一致も良好で, 重症児の呼吸リハ効果の指標として検討する価値があると考えた. それに対して今後, 多方面からのご批判を仰ぎ, 実用化に向けた検討を行う予定である.
ISSN:0918-3876