15.咳嗽と喘鳴を繰り返し,Congenital Lobar Overinflationと考えられた一例
【はじめに】Congenital Lobar Overinflation(CLO)は明らかな原因がなく, 先天的に肺葉が過膨張となる疾患であり, 通常新生児期より呼吸器症状を呈する. 今回我々は生後1ヶ月時から咳嗽と喘鳴を繰り返し, CLOと考えられた一例を経験したので報告する. 【症例】1歳3ヶ月女児. 生後1ヶ月時に初めて咳嗽, 喘鳴を認め, 百日咳の診断にて紹介医入院. その後も軽度の喘鳴が持続し, 感冒を契機に喘鳴は増悪していた. 生後6ヶ月時, 喘息性気管支炎として入院し, 気管支拡張薬吸入, アミノフィリン持続点滴, ステロイド静注の治療により症状は軽快したが, 胸部レントゲンにて...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2006, Vol.17 (1), p.88-88 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【はじめに】Congenital Lobar Overinflation(CLO)は明らかな原因がなく, 先天的に肺葉が過膨張となる疾患であり, 通常新生児期より呼吸器症状を呈する. 今回我々は生後1ヶ月時から咳嗽と喘鳴を繰り返し, CLOと考えられた一例を経験したので報告する. 【症例】1歳3ヶ月女児. 生後1ヶ月時に初めて咳嗽, 喘鳴を認め, 百日咳の診断にて紹介医入院. その後も軽度の喘鳴が持続し, 感冒を契機に喘鳴は増悪していた. 生後6ヶ月時, 喘息性気管支炎として入院し, 気管支拡張薬吸入, アミノフィリン持続点滴, ステロイド静注の治療により症状は軽快したが, 胸部レントゲンにて右肺の過膨張と縦隔の左方偏位を認めたため当科紹介. 胸部CTでは右上葉の過膨張を認め, 肺血流シンチグラフィーでは右上葉の集積が低下していた. 気管支鏡検査では気管支の狭窄や圧排所見は認められなかったが, 右上葉枝開口部が扁平化していた. 現在, 喘鳴は軽減し, 呼吸障害も認めていないため, 外科的切除は施行せず経過観察中である. 【考察】喘鳴の鑑別疾患として, 稀ではあるがCLOも念頭におく必要がある. 一方, 診断に関しては, さらなる原因検索も必要であろう. |
---|---|
ISSN: | 0918-3876 |