75.反復する喀血にエリスロマイシンが奏効している肺ヘモジデローシスの1例

【はじめに】特発性肺ヘモジデローシスでは, 低用量のステロイド薬を継続していても喀血を反復することがある. 私たちはエリスロマイシン(EM)内服を併用したところ, 喀血の頻度が著減している症例を経験した. 【症例】7歳男児. 2歳から月1回程度の軽度の喀血を反復した. 鉄欠乏性貧血があり, 喀痰細胞診でヘモジデリンを貧食するマクロファージを認めたことと画像所見から肺ヘモジデローシスと診断した. その後, Goodpasture症候群, Heiner症候群, 二次性ヘモジデローシスは否定された. プレドニンゾロン(PSL)内服とプロピオン酸フルチカゾン吸入によりコントロールを試みたが, 気道感染...

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Veröffentlicht in:日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2005, Vol.16 (1), p.106-106
Hauptverfasser: 米山浩志, 佐藤吉壮, 川崎一輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】特発性肺ヘモジデローシスでは, 低用量のステロイド薬を継続していても喀血を反復することがある. 私たちはエリスロマイシン(EM)内服を併用したところ, 喀血の頻度が著減している症例を経験した. 【症例】7歳男児. 2歳から月1回程度の軽度の喀血を反復した. 鉄欠乏性貧血があり, 喀痰細胞診でヘモジデリンを貧食するマクロファージを認めたことと画像所見から肺ヘモジデローシスと診断した. その後, Goodpasture症候群, Heiner症候群, 二次性ヘモジデローシスは否定された. プレドニンゾロン(PSL)内服とプロピオン酸フルチカゾン吸入によりコントロールを試みたが, 気道感染やPSLの減量に伴って症状が憎悪し, 管理に難渋していた. そこで, 気道感染のコントロール目的でEM400mg(20mg/kg)/日の内服を併用したところ, 開始直後から血痰の頻度は著減し, PSLの減量も可能となった. 現在EM開始後8ヵ月間が経過した. 【考按】特発性肺ヘモジデローシスの維持療法においてEMを併用した報告は, 私たちの調べ得た範囲ではなかった. EMが奏効している機序としては, 抗菌作用と抗炎症作用が考えられるが, 現段階では不明である. 今後も慎重に経過観察する必要がある.
ISSN:0918-3876