71.アデノウイルスによる間質性肺炎より救命しえた重症心身障害児の1例
【はじめに】アデノウイルス感染症ではしばしば重症肺炎をひきおこす. 今回我々は, アデノウイルスによる間質性肺炎に罹患し, BIPAPによる人工呼吸器管理にて救命しえた重症心身障害児の症例を経験したので報告する. 【症例】9ヶ月の男児. 滑脳症, West症候群, 気管支喘息にて当科加療中であった. 平成16年6月19日, 発熱, 多呼吸, 喘鳴の憎悪と胸部X線上間質性肺炎像を認め, チェックAD陽性よりアデノウイルス感染による肺炎と診断した. WBC43400/μl, CRP2.0mg/dl, pH7.476, PCO2 24.0Torr, PO2 65.7Torr(40%酸素テント下)であ...
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Veröffentlicht in: | 日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2005, Vol.16 (1), p.104-104 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】アデノウイルス感染症ではしばしば重症肺炎をひきおこす. 今回我々は, アデノウイルスによる間質性肺炎に罹患し, BIPAPによる人工呼吸器管理にて救命しえた重症心身障害児の症例を経験したので報告する. 【症例】9ヶ月の男児. 滑脳症, West症候群, 気管支喘息にて当科加療中であった. 平成16年6月19日, 発熱, 多呼吸, 喘鳴の憎悪と胸部X線上間質性肺炎像を認め, チェックAD陽性よりアデノウイルス感染による肺炎と診断した. WBC43400/μl, CRP2.0mg/dl, pH7.476, PCO2 24.0Torr, PO2 65.7Torr(40%酸素テント下)であり, SIMVによる人工呼吸器管理を開始した. その後, ステロイドパルス療法, γ-グロブリン大量療法により一時改善を認めたが, パルス療法1クール終了後, 再び高熱と多呼吸が出現, 鎮静剤投与にても呼吸器と同調せず呼吸状態の悪化を認めたため, 23日, BIPAP(PEEPhigh 22mmHg, PEEP low 12mmHg)による管理に変更した. 変更後より徐々に呼吸状態の改善を認め, 6月28日よりステロイドパルス療法2クール目を施行, 7月4日CPAPに変更し, 5日人工呼吸器より離脱した. 【まとめ】BIPAPを使用する利点として, 呼吸器と患者の自発呼吸との同調性が良いことが挙げられる. 本邦において小児におけるBIPAPの使用報告はないが, 間質性肺炎による呼吸不全に使用し, 呼吸状態の改善を得ることができた. |
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ISSN: | 0918-3876 |