66.縦隔食道嚢胞に非定型抗酸菌(MAC=mycobactorium avium complex)症を合併した4歳女児例

非定型抗酸菌(MAC)症は近年成人に増加している. しかし, 小児においては稀で本邦の報告は3症例に過ぎない. 我々は縦隔食道嚢胞に非定型抗酸菌(MAC)症を合併した4歳女児例を経験した. 【症例】4歳女児. 既往, 家族歴に特記なし. 胸部X-Pを撮影したことなし. 【現病歴】平成15年11月13日から発熱あったが, 一般状態悪くなく経過を見ていた. 発熱続き25日前医入院, 抗生剤投与で改善なく胸部CTで縦隔腫瘍を疑われて6日後紹介. 【現症】体温は38~39℃, 胸部聴診で右肺の呼吸音減弱あり. 一般状態は良好. 【検査】WBC:12000/μl, CRP:3.1mg/dl. 胸部X-P...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2005, Vol.16 (1), p.101-101
Hauptverfasser: 萩沢 進, 坪井龍生, 黒澤秀光, 吉原重美, 有阪 治, 江口光興, 小林 哲, 長井千輔, 三好新一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:非定型抗酸菌(MAC)症は近年成人に増加している. しかし, 小児においては稀で本邦の報告は3症例に過ぎない. 我々は縦隔食道嚢胞に非定型抗酸菌(MAC)症を合併した4歳女児例を経験した. 【症例】4歳女児. 既往, 家族歴に特記なし. 胸部X-Pを撮影したことなし. 【現病歴】平成15年11月13日から発熱あったが, 一般状態悪くなく経過を見ていた. 発熱続き25日前医入院, 抗生剤投与で改善なく胸部CTで縦隔腫瘍を疑われて6日後紹介. 【現症】体温は38~39℃, 胸部聴診で右肺の呼吸音減弱あり. 一般状態は良好. 【検査】WBC:12000/μl, CRP:3.1mg/dl. 胸部X-P:右肺野に腫瘤陰影. CT:右上縦隔に約4.4cmのcystic massあり, 周囲に充実性病変を伴う. 【臨床経過】画像所見から肺芽腫など悪性疾患を考え開胸肺生検を行った. 肺表面に膿あり肺化膿症としてcystの摘除を行い手術終了. 摘出手術から非定型型抗酸菌が検出され, PCRでMACが同定. INH, RFP, CAMの投与を行ったが解熱せず画像所見も改善しないため, 約2週間後上葉切除術を施行. この後速やかに解熱し, 術後約3週間で退院. 切除標本の病理検索は, 乾酪壊死, 巨細胞など抗酸菌に特異的所見あり. 以降現在まで1年間の予定でINH, RFP, CAMを継続投与している.
ISSN:0918-3876