19.スパイログラムV50・V25において低値を呈する気管支喘息児の背景について

小児気管支喘息治療管理ガイドライン2002では臨床症状と治療をステップで判定し, 重症度判定と治療に反映させるようになっている. 臨床症状が悪化すればステップアップし, 改善が持続すればステップダウンする. しかし実際には, 臨床症状が改善しているにも関わらず, 肺機能とくに末梢気道の指標が低値を示す例があり, 治療のステップダウンに躊躇することがある. そこで経過中に3回以上の肺機能検査において%V50, %V25が共に55%未満を示したことのある10名(男7名, 女3名)について発作型と経年的変化, 治療などを検討した. 【まとめ】検査実施時の発作型別では男女の軽症持続型と中等症持続型,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2004, Vol.15 (1), p.48-48
Hauptverfasser: 山根聖子, 河原仁志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:小児気管支喘息治療管理ガイドライン2002では臨床症状と治療をステップで判定し, 重症度判定と治療に反映させるようになっている. 臨床症状が悪化すればステップアップし, 改善が持続すればステップダウンする. しかし実際には, 臨床症状が改善しているにも関わらず, 肺機能とくに末梢気道の指標が低値を示す例があり, 治療のステップダウンに躊躇することがある. そこで経過中に3回以上の肺機能検査において%V50, %V25が共に55%未満を示したことのある10名(男7名, 女3名)について発作型と経年的変化, 治療などを検討した. 【まとめ】検査実施時の発作型別では男女の軽症持続型と中等症持続型, 女の重症持続型の一秒率は約80%と正常であったが, 男の重症持続型は70%をきることが多かった. %V50については男女とも軽症持続型, 中等症持続型でも60%前後と低値でありリモデリングが示唆された. 軽症, 中等症の症例で, 発作頻度が少なくなっていても治療を継続することにより低値であった%V50, %V25が改善する例と改善しない例があった. 後者は14~15歳になってから継続した治療をするようになっており, 罹病期間とリモデリングの関係を現している可能性が示唆された. またステロイド吸入の導入によって%V50, %V25が改善する例があった. 臨床症状の改善と末梢気道の指標が解離する症例の治療の進め方について, さらに検討が必要であると考える.
ISSN:0918-3876