Fusobacterium属による敗血症と多発性肺膿瘍をきたした基礎疾患のない一小児例

症例は14歳男児。生来健康であったが, Fusobacteriumによる敗血症と多発性肺膿瘍を発症した。数日間の上気道炎症状があり, 一時軽快した後高熱で発症し, 軽度の咳噺, 嘔吐, 下痢を伴い, 数日間で全身状態が悪化した。入院時の胸部単純X線検査では両側の肺野に軽度の陰影を認めるのみであったが, 翌日には内部に空洞を伴う多発性の肺膿瘍を形成した。入院時の血液培養から嫌気性グラム陰性桿菌であるFusobacteriumが検出され, 同菌による敗血症, 肺膿瘍と診断した。これまで特に基礎疾患のない小児でも, 重症肺炎例では嫌気性菌の血液培養が必要であると考えられた。...

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Veröffentlicht in:日本小児呼吸器疾患学会雑誌 2004/06/30, Vol.15(1), pp.6-12
Hauptverfasser: 溝口, 由美子, 鈴木, 里香, 鈴木, 葉子, 鈴木, 恵子, 杉原, 茂孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は14歳男児。生来健康であったが, Fusobacteriumによる敗血症と多発性肺膿瘍を発症した。数日間の上気道炎症状があり, 一時軽快した後高熱で発症し, 軽度の咳噺, 嘔吐, 下痢を伴い, 数日間で全身状態が悪化した。入院時の胸部単純X線検査では両側の肺野に軽度の陰影を認めるのみであったが, 翌日には内部に空洞を伴う多発性の肺膿瘍を形成した。入院時の血液培養から嫌気性グラム陰性桿菌であるFusobacteriumが検出され, 同菌による敗血症, 肺膿瘍と診断した。これまで特に基礎疾患のない小児でも, 重症肺炎例では嫌気性菌の血液培養が必要であると考えられた。
ISSN:0918-3876
2185-3754
DOI:10.5701/jjpp.15.6