先天性気道疾患の診断にバーチャルブロンコスコピーは有用か?

【はじめに】本学会では小児における気道内視鏡検査の有用性が数多く報告されてきたが, その手技や読影に特殊性があるため検査施設が限られていることも事実である. 今回我々は過去に経験した気管狭窄症, 気管軟化症の2症例でバーチャルブロンコスコピー画像を作成し, 気道内視鏡検査所見と比較することで, その有用性を検討した. 【症例】症例1:4歳女児. 生後6ヶ月時に喘鳴精査目的で当科を受診. 生後9ヶ月時に気道内視鏡検査で気管狭窄症(全長型)と診断した. 現在まで無治療で経過し得ている. 症例2:6歳女児. 生下時に先天性食道閉鎖症(Gross-C), 十二指腸閉鎖症の根治術をうけた既往がある. 生...

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Hauptverfasser: 王康雅, 中野孝子, 加藤真由美, 酒井忠和, 鹿田昌宏, 大滝誠, 遠藤じゅん, 堀井実, 成田沙織
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】本学会では小児における気道内視鏡検査の有用性が数多く報告されてきたが, その手技や読影に特殊性があるため検査施設が限られていることも事実である. 今回我々は過去に経験した気管狭窄症, 気管軟化症の2症例でバーチャルブロンコスコピー画像を作成し, 気道内視鏡検査所見と比較することで, その有用性を検討した. 【症例】症例1:4歳女児. 生後6ヶ月時に喘鳴精査目的で当科を受診. 生後9ヶ月時に気道内視鏡検査で気管狭窄症(全長型)と診断した. 現在まで無治療で経過し得ている. 症例2:6歳女児. 生下時に先天性食道閉鎖症(Gross-C), 十二指腸閉鎖症の根治術をうけた既往がある. 生後5ヶ月時に喘鳴精査目的で当科を受診. 2歳時に気道内視鏡検査, 気管支造影検査で気管軟化症, 右中間気管支幹狭窄症と診断し, 大動脈胸骨固定術と右中下葉切除術を施行した. 【方法】マルチスライスCT検査を行い3DCTとともにバーチャルブロンコスコピー画像を作成し, 過去の気道内視鏡検査結果と比較検討を行った. 【結果】症例1, 2ともに気道内視鏡検査結果に近い所見が得られた. しかし気道内視鏡検査と比較して, 次の利点と欠点が明らかになった. 1)利点:(1)無麻酔での検査も可能(2)検査時間が極めて短時間(3)術者の手技的問題がない. 2)欠点:(1)動的画像が得られない(2)粘膜病変の評価が困難(3)心血管系の影響を受けやすい(4)亜区域気管支より末梢の評価が困難. 【まとめ】バーチャルブロンコスコピーは現時点では限られた症例の経過観察には有用と考えられるが, その有用性に関しては今後も症例を重ね検討していく必要がある. したがって我々は小児科領域での気道内視鏡検査が更に普及されることを期待する.
ISSN:0918-3876