気管切開を受けている在宅の障害児者の気管内吸引の実態と問題点
気管切開を受けている在宅の障害児者(以下気切児)の急速な増加に伴い, 気切児が学校, 通所施設などに通うことが増えている. しかし気切からの吸引方法は医療機関による指導の違いも大きく, 現場で多くの混乱が認められる. 当科には様々な医療機関から気切児が紹介されてきているため実態を調査した. 【方法】当科に通院する気切児36名につき, 吸引実施者, 吸引カテーテル(以下カテ)の太さ, 挿入の深さ, 吸引時間, 吸引圧, カテの消毒法, 合併症について検討した. 【結果, 考察】1人の気切児に関わる吸引実施者総数は, 最少は2名でこの場合家族の負担が大きい. 最多は8名で親戚, 家族の友人の関与が...
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Zusammenfassung: | 気管切開を受けている在宅の障害児者(以下気切児)の急速な増加に伴い, 気切児が学校, 通所施設などに通うことが増えている. しかし気切からの吸引方法は医療機関による指導の違いも大きく, 現場で多くの混乱が認められる. 当科には様々な医療機関から気切児が紹介されてきているため実態を調査した. 【方法】当科に通院する気切児36名につき, 吸引実施者, 吸引カテーテル(以下カテ)の太さ, 挿入の深さ, 吸引時間, 吸引圧, カテの消毒法, 合併症について検討した. 【結果, 考察】1人の気切児に関わる吸引実施者総数は, 最少は2名でこの場合家族の負担が大きい. 最多は8名で親戚, 家族の友人の関与があるが十分な指導がされていない心配がある. 家族以外の実施者は学校教員が気切児7名に関与し, 訪問看護師19名, 通園, 学校, 通所看護師14名, ヘルパー2名, 家族の友人4名であった. 日常的な深い吸引で気管分岐部の出血, 気管壁肉芽が2名で生じており注意すべきである. カテの太さについては径比ではカニュレ径の半分以下の細いカテと半分以上の太いカテの使用者はほぼ同数だが, 断面積では半分以下の細いカテがほとんどであった. 細いカテの使用により, 高い吸引圧, 長い吸引時間が必要になることもある. カテの消毒方法は18通りもあり, 安全性に問題があると思われる方法もあった. 中には経費や煩雑さのため家族の判断で方法が変更されていることもあった. 【まとめ】フランスには医師, 看護師以外の「気管内吸引の実施可能該当者の養成」に関する政令があり, 吸引方法についてはAmerican Thoracic Societyの慢性在宅気切児の気管内吸引方法のコンセンサスがある. 本邦でも安全性, 経済性, 簡便性を考慮した在宅障害児に適した吸引方法を検討し, ガイドラインや初期指導と定期的なチェックを含んだ医療関係者以外を対象とする吸引方法の指導システムをつくることが必要である. |
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ISSN: | 0918-3876 |