気管支平滑筋腫の一例
【はじめに】気管支平滑筋腫は稀な疾患で, 小児での報告は少ない. 今回我々は遷延する無気肺を契機に発見された気管支平滑筋腫の一例を経験したので報告する. 【症例】12歳, 男児. 脳性麻痺, てんかんあり, 1~2ヶ月に1回頻度で発熱を認めていた. 患児の世話をしていた父方の叔母が肺結核(Gaffky 1号)であったが再検査では陰性. 発熱, 咳嗽, 喘鳴を主訴に当院入院. 入院児胸部単純X線写真上, 左下葉に無気肺を認め, 約1年前の胸部単純X線写真でも同様の所見あり. 検査結果ではWBC18,990/μl, CRP5. 2mg/dlと炎症反応を認めた. 免疫グロブリン正常, マイコプラズマ...
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Zusammenfassung: | 【はじめに】気管支平滑筋腫は稀な疾患で, 小児での報告は少ない. 今回我々は遷延する無気肺を契機に発見された気管支平滑筋腫の一例を経験したので報告する. 【症例】12歳, 男児. 脳性麻痺, てんかんあり, 1~2ヶ月に1回頻度で発熱を認めていた. 患児の世話をしていた父方の叔母が肺結核(Gaffky 1号)であったが再検査では陰性. 発熱, 咳嗽, 喘鳴を主訴に当院入院. 入院児胸部単純X線写真上, 左下葉に無気肺を認め, 約1年前の胸部単純X線写真でも同様の所見あり. 検査結果ではWBC18,990/μl, CRP5. 2mg/dlと炎症反応を認めた. 免疫グロブリン正常, マイコプラズマ抗体価の上昇なく, ツベルクリン反応, 胃液結核菌PCRは陰性であった. 抗生物質(CRP, MINO), アミノフィリンを投与し解熱, 喘鳴は消失したが, 胸部単純X線所見は持続した. 胸部CTでは, 左下葉気管支内に径2cmの腫瘤が認められ, これより末梢は無気肺を呈していた. 気管支内腫瘍の可能性を考慮し, 入院20日目に気管支ファイバースコピーを施行し, 左下葉気管支を閉塞する白色で表面平滑, 易出血性を伴う隆起性病変が認められ生検で平滑筋腫と病理診断された. 去痰剤, EM少量投与したが無気肺の改善なく, 画像所見から無気肺部の機能回復は困難であると考えられ, 8ヶ月後に下葉切除をおこなった. 【考察】気管, 気管支内腫瘍の頻度は稀で, 症状は喘鳴, 呼吸困難, 咳嗽, 反復する呼吸器感染症などであるが特異的な症状に乏しい. 無気肺が遷延する場合には, 本疾患も念頭に置き胸部CT, 気管支ファイバースコピーを施行する必要があると考えられた. |
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ISSN: | 0918-3876 |