保護者の愛着や養育傾向が歩行中の子どもの監視に及ぼす影響

「はじめに」 歩行中の交通事故について, 人口10万人当りの死傷者数が最も多い年齢は7歳であり((公財)交通事故総合分析センター, 2017), 子どもの交通事故対策が急務となっている. このような背景から, 第ll次交通安全基本計画(中央交通安全対策会議, 2021)の対策の視点にも, 高齢者と並んで, 子どもの安全確保が掲げられている. 子どもの交通事故低減のためには, 安全な歩行に関する技能や能力を子ども自身が習得するための教育(小川, 2007: 大谷・橋本・岡田・小林・岡野, 2012: 蓮花・国府田, 2003)に加え, 独力で安全確保が困難な幼少期の子どもを管理や保護するといった...

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Veröffentlicht in:交通心理学研究 2021-03, Vol.37 (1), p.1-15
Hauptverfasser: 大谷亮, 栗山あずさ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 歩行中の交通事故について, 人口10万人当りの死傷者数が最も多い年齢は7歳であり((公財)交通事故総合分析センター, 2017), 子どもの交通事故対策が急務となっている. このような背景から, 第ll次交通安全基本計画(中央交通安全対策会議, 2021)の対策の視点にも, 高齢者と並んで, 子どもの安全確保が掲げられている. 子どもの交通事故低減のためには, 安全な歩行に関する技能や能力を子ども自身が習得するための教育(小川, 2007: 大谷・橋本・岡田・小林・岡野, 2012: 蓮花・国府田, 2003)に加え, 独力で安全確保が困難な幼少期の子どもを管理や保護するといった観点も必須となる. この点について, Sandels(1975)は, 複雑な交通環境に幼児が適応することは困難であり, 子どもの特徴に応じた交通環境の整備が重要と述べている. しかしながら, 日本は国土が狭いこともあり, 十分な道路環境整備が困難な地域や地区が存在するのが現状である(文部科学省, 2019).
ISSN:0910-9749