1 鍼鎮痛の生理学的作用機序
「はじめに」鍼治療はさまざまな生理的作用をもたらし, その作用機序について, 世界中で数多くの基礎研究が行われている. 鎮痛作用に関しては, 下行性疼痛抑制系の賦活化, ゲートコントロール, 内因性オピオイド(β-エンドルフィンやエンケファリンほか)やγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid: GABA)などの鎮痛に作用する物質の分泌促進, 広汎性侵害抑制機能などが基礎研究で明らかにされているが, これらはいずれも中枢神経系で生じている変化であった. 近年, 鍼刺激を加えている局所(いわゆる経穴)での変化が報告されている. そのキーとなるものに肥満細胞が挙げられている. 肥満細胞...
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Veröffentlicht in: | 神経治療学 2024-09, Vol.41 (3), p.368-372 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」鍼治療はさまざまな生理的作用をもたらし, その作用機序について, 世界中で数多くの基礎研究が行われている. 鎮痛作用に関しては, 下行性疼痛抑制系の賦活化, ゲートコントロール, 内因性オピオイド(β-エンドルフィンやエンケファリンほか)やγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid: GABA)などの鎮痛に作用する物質の分泌促進, 広汎性侵害抑制機能などが基礎研究で明らかにされているが, これらはいずれも中枢神経系で生じている変化であった. 近年, 鍼刺激を加えている局所(いわゆる経穴)での変化が報告されている. そのキーとなるものに肥満細胞が挙げられている. 肥満細胞は, 骨髄系細胞由来の免疫細胞の一種であり, 肥満細胞の顆粒内には, ヒスタミン, ロイコトリエン, セロトニン, ヘパリンなどのケミカルメディエーターが含まれている. |
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ISSN: | 0916-8443 |