慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーに対する免疫グロブリン維持療法の点滴時間と患者申告quality of life調査

<目的>慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者を対象に,経静脈的免疫グロブリン(intravenous immunoglobulin:IVIg)維持療法の点滴時間,患者満足度に関する前向き観察研究を行った.<方法>20歳以上の患者23例において5% IVIg(n=10)又は10% IVIg製剤(n=13)の維持療法を定期的に受けていた2群において前向き調査を行った.両製剤の点滴準備時間と投与時間を測定し,患者のquality of life(QOL),治療満足度,労働生産性障害スコアを調査した.<結果>総点滴時間は10% IVIgが5% IVIgの約半分であった(204分 vs. 437分;p...

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Veröffentlicht in:神経治療学 2023, Vol.40(2), pp.104-111
Hauptverfasser: 桑原, 聡, 澁谷, 和幹, 深見, 祐樹, 関口, 兼司, 大崎, 裕亮, 田代, 淳, 秋山, 哲志, 土肥, 衛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:<目的>慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者を対象に,経静脈的免疫グロブリン(intravenous immunoglobulin:IVIg)維持療法の点滴時間,患者満足度に関する前向き観察研究を行った.<方法>20歳以上の患者23例において5% IVIg(n=10)又は10% IVIg製剤(n=13)の維持療法を定期的に受けていた2群において前向き調査を行った.両製剤の点滴準備時間と投与時間を測定し,患者のquality of life(QOL),治療満足度,労働生産性障害スコアを調査した.<結果>総点滴時間は10% IVIgが5% IVIgの約半分であった(204分 vs. 437分;p=0.0026).QOL指標のEuroQol 5 dimensions 5–levelの平均QOL値は10% IVIgが5% IVIgより高く(0.74 vs. 0.57),5つのドメインのいずれのスコアも10% IVIgが良好であった.治療満足度,労働生産性の障害に関するスコアは両群で同程度であった.<結論>患者が自覚する両製剤の治療効果に差はみられないが,10%製剤による点滴時間短縮の利便性は患者QOLを向上させるものと考えられた.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.40.2_104