運動失調症患者のレジストリ Japan Consortium of Ataxias (J-CAT)

「はじめに」脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:SCD)は, 小脳及びその遠心路・求心路の障害により, 運動失調症候を主体とした神経徴候・症状を呈する神経変性疾患であり, 血管障害, 腫瘍, 炎症, 感染, 自己免疫, 代謝, 中毒, 外傷など他に原因を有する二次性失調症を除外した疾患群の総称である. SCDは遺伝性SCD(hereditary SCD:hSCD)と孤発性SCD(sporadic SCD:sSCD)に分類される. hSCDの90%以上は常染色体顕性(優性)遺伝性(AD-SCD)であり, 残りの大部分が常染色体潜性(劣性)遺伝性(AR-SCD...

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Veröffentlicht in:神経治療学 2023-04, Vol.40 (1), p.17-22
Hauptverfasser: 高橋祐二, 水澤英洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:SCD)は, 小脳及びその遠心路・求心路の障害により, 運動失調症候を主体とした神経徴候・症状を呈する神経変性疾患であり, 血管障害, 腫瘍, 炎症, 感染, 自己免疫, 代謝, 中毒, 外傷など他に原因を有する二次性失調症を除外した疾患群の総称である. SCDは遺伝性SCD(hereditary SCD:hSCD)と孤発性SCD(sporadic SCD:sSCD)に分類される. hSCDの90%以上は常染色体顕性(優性)遺伝性(AD-SCD)であり, 残りの大部分が常染色体潜性(劣性)遺伝性(AR-SCD), まれにX連鎖性(X-linked SCD)が存在する. hSCDは極めて遺伝的異質性が高い疾患であり, これまで80以上の原因遺伝子が同定されている(OMIM https://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/). さらに, 部分症状として運動失調症状を呈し, SCDと鑑別が難しい遺伝性疾患が多数存在する.
ISSN:0916-8443