脳小血管病の分子レベルでの再考

「はじめに」ひとの脳は, その大きさと特殊な機能故に, 他の種, 臓器とは異なった小血管の解剖と機能を持つ. 脳小血管病(cerebral small vessel disease: CSVD)はこの脳の小血管を侵す高頻度な疾患で, 脳卒中, 認知機能障害, 運動機能障害と関連し, さらに, Alzheimer型認知症等の神経変性疾患の背景病理としても注目されている. 加齢以外では高血圧が最も重要な危険因子とされるが, 降圧療法が広く行われるようになった近代でも, その発症は高頻度であり, 症状の進行を十分にコントロールすることはできていない. CSVDの発症メカニズムの解明, 新しい治療方法...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:神経治療学 2022, Vol.39(4), pp.439-443
Hauptverfasser: 北原, 匠, 加藤, 泰介, 小野寺, 理
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」ひとの脳は, その大きさと特殊な機能故に, 他の種, 臓器とは異なった小血管の解剖と機能を持つ. 脳小血管病(cerebral small vessel disease: CSVD)はこの脳の小血管を侵す高頻度な疾患で, 脳卒中, 認知機能障害, 運動機能障害と関連し, さらに, Alzheimer型認知症等の神経変性疾患の背景病理としても注目されている. 加齢以外では高血圧が最も重要な危険因子とされるが, 降圧療法が広く行われるようになった近代でも, その発症は高頻度であり, 症状の進行を十分にコントロールすることはできていない. CSVDの発症メカニズムの解明, 新しい治療方法の開発のためにはその分子病態を明らかにすることが必要である. 分子病態に関する研究は, 小血管のみを侵す遺伝性CSVDの発見から進んできたが, 孤発性CSVDの病態解明の手掛かりとなるメカニズムは明らかとなっていなかった.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.39.4_439