高齢者・サルコペニアの栄養療法

「はじめに」高齢者は, 疾患, 加齢(老化), 生活環境, 疾病, ホルモンの変化, 食事摂取量不足など様々な要因から栄養障害(低栄養)またはサルコペニアに陥るリスクが高い. 本項では, 高齢者における栄養障害(低栄養)およびサルコペニアに焦点を当て, 診断方法および栄養療法について述べる. 「I. 栄養障害(低栄養)について」近年, 栄養障害または低栄養という言葉を耳にする機会が増えている. 厳密には, 栄養障害はmalnutritionと訳され, この概念の中に低栄養であるundernutritionと過栄養であるovernutritionが含まれている. 近年では低栄養を指して栄養障害が...

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Veröffentlicht in:神経治療学 2022, Vol.39(1), pp.13-17
Hauptverfasser: 清水, 昭雄, 藤島, 一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」高齢者は, 疾患, 加齢(老化), 生活環境, 疾病, ホルモンの変化, 食事摂取量不足など様々な要因から栄養障害(低栄養)またはサルコペニアに陥るリスクが高い. 本項では, 高齢者における栄養障害(低栄養)およびサルコペニアに焦点を当て, 診断方法および栄養療法について述べる. 「I. 栄養障害(低栄養)について」近年, 栄養障害または低栄養という言葉を耳にする機会が増えている. 厳密には, 栄養障害はmalnutritionと訳され, この概念の中に低栄養であるundernutritionと過栄養であるovernutritionが含まれている. 近年では低栄養を指して栄養障害が用いられる場合が多く, 言葉の扱いには注意が必要である. 本項では低栄養を指して栄養障害を用いる. 本邦では栄養障害の診断基準として血清アルブミンまたはプレアルブミンを用いる場合が多い. しかし, 2020年にAmerican Society for Parenteral and Enteral Nutritionのポジションペーパーで血清アルブミンとプレアルブミンは炎症のマーカーであり, 栄養マーカーとして使用すべきではないという強い声明が発表された. また, 世界的にコンセンサスを得た栄養障害の基準であるGlobal Leadership Initiative on Malnutrition(GLIM)においても血清アルブミンまたはプレアルブミンは栄養障害の診断基準として用いられていない.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.39.1_13