誘発電位検査の見方と考えかた
臨床医学においてヒトの感覚刺激に対する神経活動反応を, 平均加算法を用いて非侵襲的記録を最初に行なったのは, Dawsonであり1947年のことである. 現在では確立した臨床検査法となっている. 誘発電位検査では, 神経反応を, 潜時 (msec) と振幅 (μV) を測定することにより客観的な数字で示すことができる. 誘発電位検査は, 感覚系の神経学的診察の延長としても捉えることもできる. 誘発電位検査が有用な点は, 病歴や診察で感覚系の異常が疑われるとき, 客観的なデータで異常の有無を示すことができる点がある. さらに, 症状を呈しないsub-clinicalな異常, 特に脱髄病変などを検...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 神経治療学 2021, Vol.38(4), pp.426-426 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 臨床医学においてヒトの感覚刺激に対する神経活動反応を, 平均加算法を用いて非侵襲的記録を最初に行なったのは, Dawsonであり1947年のことである. 現在では確立した臨床検査法となっている. 誘発電位検査では, 神経反応を, 潜時 (msec) と振幅 (μV) を測定することにより客観的な数字で示すことができる. 誘発電位検査は, 感覚系の神経学的診察の延長としても捉えることもできる. 誘発電位検査が有用な点は, 病歴や診察で感覚系の異常が疑われるとき, 客観的なデータで異常の有無を示すことができる点がある. さらに, 症状を呈しないsub-clinicalな異常, 特に脱髄病変などを検出できることがある. 刺激および記録部位を組みあわせることにより, 病変部位を決定できる. また, 経時的に検査を行うことにより, 経過や治療効果や副作用・合併症の把握に役立つ. Visual evoked potential (VEP) は, 視覚経路に置ける伝導異常の検出に優れた検査法である. 多発性硬化症および視神経炎における検査として有用である. 短潜時体性感覚誘発電位short latency somatosensory evoked potential (SSEP) は, 多発性硬化症, ミオクローヌス, 脳および脊髄・脊椎手術の術中モニター, 虚血性および外傷性脳症による昏睡の予後, 等に臨床的有用性が高い. 聴性脳幹誘発電位Brainstem auditory evoked potential (BAEP) は, 脳幹および後頭蓋窩の病変, 脳幹・後頭蓋窩の手術モニター, に臨床的には用いられている. 画像診断の進歩により神経疾患の病変が描出可能となり臨床的に汎用されている現在, 電気生理学的検査の有用性は神経機能を直接反映する検査であることである. 誘発電位検査の有用性を理解して, 臨床に役立てることが求められる. |
---|---|
ISSN: | 0916-8443 2189-7824 |
DOI: | 10.15082/jsnt.38.4_426 |